Budget Amount *help |
¥4,000,000 (Direct Cost: ¥4,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2002: ¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
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Research Abstract |
コレステロール搬出促進成分の検索系構築のために、ヒトABCA1及びCaveolinの全長cDNA、ヒトABCA1及びCaveolinのゲノムプロモーター領域をクローニングした。クローニングされたcDNAおよびゲノムプロモーター領域は、それぞれ発現系ベクターpcDNA3およびルシフェラーゼ遺伝子含有pGL3ベクターに導入した。これらのcDNAおよびゲノムプロモーター領域取得プラスミドを用いて、コレステロール搬出系に影響を与える食事成分の検索系の構築を行った。その結果、リポフェクション法によりヒト及びマウス由来マクロファージ細胞へのベクター導入に成功し、コレステロール搬出促進成分検索系が確立された。 この評価系を用いて、数種類の酸化コレステロールが細胞内余剰コレステロールの搬出系に及ぼす作用について検討を行った。培地中のアクセプターであるApoA-Iへの細胞中[^3H]コレステロールの移行を指標として評価した結果、コレステロールの一次代謝産物である7α-ハイドロキシコレステロールはコレステロール搬出を抑制し、24-ハイドロキシコレステロールは逆にコレステロール搬出を促進することが示された。同時にコレステロール搬出促進能と対応したmRNA発現量の変動も確認された。 また、必須脂肪酸であるリノール酸の位置・幾何異性体である共役リノール酸異性体の中から、コレステロール搬出促進能を持つものの検索を行った。9c,11t-、9c,11c-、9t,11t-、10t,12c-、10c,12c-、10t,12t-CLAについて、リノール酸を対照として比較を行ったところ、9c,11t-CLAで増加傾向は認められたものの有意さは認められなかった。その他のCLA異性体に関しては、リノール酸と差が認められなかった。よって、共役リノール酸異性体はマクロファージ細胞に対してはコレステロール搬出促進能を示さないことが明らかとなった。引き続きヒト正常動脈壁由来平滑筋細胞などへの影響を検討中である。
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