Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2004: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2003: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Research Abstract |
A.北海道大学雨龍研究林内に設定した人口裸地プロット(造成後4年目,重機による「掻き起し」施業地)における調査を継続して行った。2年目までの光・土壌・生物環境の変化と,出現する植生との関係はすでに明らかになっている(Yoshida et al.2005)。今年度は,植生の発達に伴って発言すると考えられる植物種内・種間の競争関係を解析に加えるため,1.96ha(140×140m)の調査プロットに設置された60ヶ所の調査区において,植生センサス(2回/年:高木性樹種の雅樹は固体識別),土壌資料の採取および窒素濃度の測定を行なった。 B.「掻き起し」施業後の8年が経過したプロットにおいて,施業後に発生した高木性樹種の雅樹の動態を明らかにした。この段階では,雅樹間の競争関係は少なく,高い周辺密度はむしろ成長を促進していることがわかった。また,他の下層植生・周辺の上層木の存在も,生長にポジティブな効果を与えていた。一方,同じ施行年で,掻き起し施業1年後に,取り除いた表土を再び施業地に戻したプロットでも調査を行った。表土を戻した箇所では,通常の施工地に比べて数十倍以上の生長が見られた。また雅樹の発生も多いことから,このような施工方法は,森林の回復速度を高め,また森林の階層構造のすばやい発達にも寄与することが示唆された。 C.この地域の森林の林床優占種であるササ類と,他の林床植生との関係を調査した。まず,主要なササ2種(チシマザサ・クマイザサ)の,空間分布の特性が明らかになった(Noguchi and Yoshida 2005)。また,ササの存在が植物種多様性に強い負の影響を与えることが確認されたが(Noguchi and Yoshida 2004),これら2種でその傾向に大きな違いはなく,植物の生活形ごとに比較すると高木性樹種の雅樹が最も影響を受けやすいことが明らかになった。
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