近畿に野生化するアオモジの種子散布、発芽、実生の成長特性からみた個体群動態の解明
Project/Area Number |
14760107
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
林学
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
中村 彰宏 大阪府立大学, 農学生命科学研究科, 助手 (20264814)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2003: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | アオモジ / 移入種 / 分布拡大 / ヘリコプター画像 / 種子散布 / 出芽実験 / 埋土種子 / 実生 / 光環境 / 個体群動態 |
Research Abstract |
アオモジ(クスノキ科ハマビワ属)の分布拡大過程の解明のために、平成15年度に撮影された奈良県平群町付近のヘリコプター画像の解析、京都市の上賀茂試験地での種子散布測定、大阪府吹田市の人工ギャップ内外で種子の出芽実験を行った。奈良県平群町を対象としたヘリコブター画像から黄葉したアオモジ樹冠を切り出し、東西に約5km、南北に約4kmにかけて分布することが判明した。約15年前には生育していないと考えられる東部の矢田丘陵でも分布が確認され、40年程度前に植栽された東部の生駒丘陵から東部にも分布が拡大していていることが明らかとなった。アオモジは、住宅地などの市街地には分布せず、森林を中心に分布していた。GISを用いた解析から、分布パターンはランダムではなく、集中分布であることが明らかとなった。また道路から短い距離の位置にアオモジ樹冠が多く存在し、道路の建設に伴う攪乱環境が、アオモジの分布拡大に寄与していることが示唆された。上賀茂試験地における種子散布測定では、春季の例年よりも低い温度のためか結実量が前年に比べて著しく少なく、シードトラップで採取できた散布種子は、ほとんど樹冠直下のプロットであった。前年のデータとあわせで、樹冠からの距離が大きくなるにつれて、散布密度は著しく低下することが明らかとなった。アオモジ種子の出芽率は、ギャップ内で大きく、林内で小さかった。光環境の指標である天空率の増加に伴って出芽率が増加し、天空率が0.136以下の暗い林床では、ほとんど出芽しないことが確認された。これらより、アオモジは、攪乱環境に依存して分布を拡大する移入種であることが明らかとなった。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)