嗅上皮における薬物代謝第三相(多剤耐性関連タンパク)による異物排出機構
Project/Area Number |
14770012
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General anatomy (including Histology/Embryology)
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
工藤 秀明 産業医科大学, 医学部, 講師 (40289575)
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Project Period (FY) |
2002 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2003: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2002: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 嗅上皮 / 支持細胞 / 嗅細胞 / 多剤耐性関連タンパク / 薬物代謝 / 免疫組織化学 / olfactory marker protein / 人工化学物質曝露 / in situハイブリダイゼーション / PCR |
Research Abstract |
本研究の研究実施計画に沿って、Wistar系正常雄性アルビノラット嗅上皮での発現が確認された多剤耐性関連タンパク(multidrug resistace-related proten ; MRP)のアイソフォームの1つであるMRP1に着目し解析を継続した。前年度までの解析により、MRP1遺伝子およびタンパクは、嗅上皮の支持細胞と嗅細胞の一部と推察される細胞に発現が認められたことから、より明確に嗅細胞の同定を可能にするために成熟嗅細胞の指標分子であるolfactory marker protein (OMP)に対する特異抗体を作製した。他の脊椎動物のOMPにおいてもアミノ酸配列が保存されている領域を含む20残基の合成ペプチドを抗原として家兎に免疫し抗血清を得た。得られた抗血清は、同ペプチドによるアフィニティー精製の後、抗OMPポリクローナル抗体として用いた。今回作製した抗OMPポリクローナル抗体とこれまで用いてきた抗MRP1モノクローナル抗体による蛍光二重標識免疫組織化学的解析を正常ラット嗅上皮で施行したところ、MRP1は主として支持細胞にその局在が認められ、一部のOMPで標識される成熟嗅細胞にも共局在が見られることが明らかとなった。このことより、これまで我々が注目してきた支持細胞における薬物代謝の第III相のみならず、受容細胞自身においても異物排出ポンプとして機能している可能性が示された。次に、化学物質曝露がMRP1発現に与える影響を解析するため、内視鏡などの消毒時に医療従事者の職業性曝露が近年問題視されているグルタールアルデヒドの吸入曝露ラット実験モデルを作製した。現在、曝露実験を継続中であり、MRP1の遺伝子およびタンパク質の曝露にともなう発現変化の有無を検索中である。並行して、MRP1プロモーターとクラゲ緑色発光タンパクとの融合遺伝子の嗅上皮への遺伝子導入の条件設定を調整中である。
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Report
(3 results)
Research Products
(13 results)