中枢神経系におけるカテコールアミンの生合成に及ぼすリポ多糖の影響
Project/Area Number |
14770018
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General physiology
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
金子 葉子 藤田保健衛生大学, 医学部, 助手 (20319263)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | ノルエピネフリン / LPS / 青斑核 / 炎症性サイトカイン / ミクログリア / GTPシクロヒドロラーゼI / チロシン水酸化酵素 / corticotropin-releasing factor / CRF受容体アンタゴニスト |
Research Abstract |
これまでに、マウスの腹腔内に投与したグラム陰性桿菌のリポポリサッカライド(LPS)によって中枢神経系の青斑核においてノルエピネフリン(NE)の代謝回転が亢進するメカニズムを明らかにした。しかしながら、その代謝回転上昇の意義は明らかになっていない。さらに、増加したNEは6時間後に定常状態に戻るが、それ以降の変化についてはまだ解析されていない。そこで、LPS投与8時間以降のNEの変化、炎症性サイトカインの発現量を測定した。炎症性サイトカインに着目したのは、神経系と免疫系のクロストークにおいて、カテコールアミンとサイトカインが重要な役割を果たしていると考えられ、さらに、中枢神経系における炎症性サイトカインの発現が、NEによって調節されているという報告が多数認められるためである。 LPS感受性のマウスC3H/HeNに5μg LPSを腹腔内投与し、経時的に青斑核を摘出した。そのサンプル中のNE含有量をHPLCで定量した。また、サンプルからtotal RNAを抽出し、quantitative real-time PCRで炎症性サイトカインであるIL-1β、TNF-αのmRNA発現量を定量した。 LPS投与4時間で増加したNEは6時間後に定常状態に戻り、24時間後に有意に減少した。IL-1βおよびTNF-αのmRNAは、2時間後から有意な増加が認められ、4時間後にそれぞれ13.1倍、4.5倍に増加した。その後、一旦定常状態まで戻るが、15時間後に再び有意な増加が認められ、それぞれの発現量は対照の3.5倍、1.9倍であった。 以上の結果については、北米神経科学会、日本神経化学会、日本生理学会において発表した。また、欧文雑誌に投稿準備中である。 現在、マウス新生仔から調製したミクログリアを用いて、LPS投与4時間後のNEの代謝回転上昇とIL-1β、TNF-αの発現上昇、15時間後のIL-1β、TNF-αの発現上昇と24時間後のNE減少との間に関連性があるのかどうかを検討中である。また、24時間後のNE減少が、神経細胞のアポトーシスによるものかどうかを検討している。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)