肺癌細胞に過剰発現し、細胞増殖を促進するウィルムス腫瘍遺伝子の機能
Project/Area Number |
14770061
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Pathological medical chemistry
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
尾路 祐介 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (20294100)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | WT1 / Lung cancer / solid cancer / tumorigenesis / ウイルムス腫瘍遺伝子 / 肺癌 / isoform |
Research Abstract |
まず、肺癌細胞において発現されるWT1遺伝子isoformの発現比を解析し肺癌において17AA(+)のisoformが優位に発現されていることを明らかにした。この結果は肺癌における17AA(+)WT1 isoformが重要な機能を果たすことを示唆している。 次に肺癌の多くの症例で過剰発現しているWT1遺伝子が他の固形癌においても過剰発現し、癌の発生に関与している可能性を考え、頭頚部扁平上皮癌、大腸癌、甲状腺癌および骨および軟部腫瘍におけるWT1の発現についてreal-timeRT-PCR法および免疫染色法により解析した。頭頚部扁平上皮癌では56例中42例(75%)において正常頭頚部扁平上皮に比較してWT1遺伝子が過剰高発現していた。大腸癌では46例中41例(89%)において正常粘膜細胞に比較してWT1タンパクが過剰発現していた。甲状腺癌では甲状腺腺腫や正常甲状腺組織にくらべWT1遺伝子が有意に高いレベルで発現していた。骨および軟部肉腫では36例中28例(78%)において正常軟部組織に比較してWT遺伝子が過剰発現していた。次にこれらの癌において発現するWT1が変異のない野生型であることを明らかにするためにこれらの固形癌98例(非小細胞肺癌34例、乳癌37例、頭頚部扁平上皮癌5例、大腸癌5例、甲状腺癌9例および骨軟部腫瘍8例)においてWT1 genomic DNAをPCRにて増幅しこれをdirect sequencing法にて解析したがいずれにおいてもWT1は変異のない野生型であった。さらに大腸癌や軟部肉腫細胞株においてWT1アンチセンスオリゴDNAを用いてWT1の発現を抑制したところ細胞の増殖が抑制された。これらの結果は野生型WT1が肺癌だけではなく多くの固形癌において細胞の増殖に関与し癌遺伝子様の機能を果たしていることを示している。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)