MMP-12トランスジェニックウサギを用いた動脈硬化発生機序の解析
Project/Area Number |
14770069
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Human pathology
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Research Institution | Chiba University (2003) University of Tsukuba (2002) |
Principal Investigator |
卯木 浩之 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助手 (40323290)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | トランスジェニックウサギ / MMP-12 / 動脈硬化 / 大動脈瘤 / マクロファージ / 病態動物モデル / リュウマチ関節炎 / 肺気腫 |
Research Abstract |
マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)は金属依存性の細胞外マトリックス分解酵素であり、動脈硬化や癌転移などに重要な役割を果たしていると考えられている。本研究ではエラスターゼ活性を持つマクロファージメタロエラスターゼ(MMP-12)の役割に注目し、動脈硬化やリウマチ関節炎、肺気腫などの炎症疾患の発生におけるMMP-12の役割をin vivoで解明することを目的として、ヒトMMP-12を過剰発現するトランスジェニック(Tg)ウサギモデルを開発し動脈硬化発生における泡沫細胞の形成、炎症性肉芽腫の形成、関節炎の発生におけるMMP-12の役割を検討した。マクロファージ(Mφ)特異的にMMP-12を過剰発現するTgウサギ作成のため、Mφスカベンジャー受容体プロモーターを有するMMP-12 cDNA発現ベクターを構築し、マイクロインジェクション法により遺伝子を導入した。移植した280個の受精卵より22羽の仔ウサギが産まれ、そのうち2羽にヒトMMP-12遺伝子が導入されていた。ヒトMMP-12 mRNAがTgウサギのMφで特異的に過剰発現していることをRT-PCR法により確認した。Mφ由来ヒトMMP-12蛋白の分泌を確認するために、ウサギの肺胞Mφ並びに腹腔内Mφを無血清培地で24時間培養して培養上清を調製した。これらの培養上清を10%ポリアクリルアミドゲルで電気泳動後、抗ヒトMMP-12抗体でウェスタンブロットしたところ、TgウサギのMφからヒトMMP-12蛋白が分泌されていることが判明した。また、ザイモグラフィーによりMφから分泌されたヒトMMP-12蛋白はβ-カゼインならびにエラスチンを分解することが確認され、酵素活性を持つことが判明した。一方、Tgウサギでは正常ウサギに比べ炎症性肉芽腫や関節炎におけるMMP-12の発現が強く、Mφの浸潤が高度であることが病理学的解析により明らかとなった。動脈硬化発生・進展に及ぼすMMP-12の影響に関しては現在詳細に解析中である。 本研究によりMφで特異的にMMP-12を過剰発現するTgウサギの開発に成功した。このウサギモデルは動脈硬化の発生病理の解明のみならず、炎症疾患の発生病理を解明する上で極めて有用な動物モデルになり得ると考えられる。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)