Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
背景:Sarcoidosisは組織形態学的には非乾酪性肉芽腫を主病変とし、一部に線維化を伴うことで知られている。従来、肺の線維化にはTGP-bが重要な役割を果たすことが指摘されてきたが、最近ではconnective tissue growth factor (CTGF)がTGF-bの線維化促進作用を直接担う増殖因子であるといわれ注目されている。目的:肺のSarcoidosisにおけるCTGF蛋白の発現状態と細胞について解析した。試料:使用した検体は生検によって得られた患者15例の肺組織とリンパ節である。方法:抗CTGF、CD68、a-SMA抗体を用いて免疫組織化学を試行した。対照として5例の正常肺組織及び2例の異物反応を伴う乳腺組織を用いた。結果:CTGF蛋白はSarcoidosis患者の肺組織において著明に発現が目立った。陽性細胞は肉芽腫を形成する類上皮細胞と周囲の紡錘形細胞に認められた。なお、類上皮細胞にはCD68、紡錘形細胞にはa-SMAが証明された。考察:今回の結果はCTGFがparacrine、autocrine的に作用して線維形成を誘導していることが示唆された。以上の研究結果は2002年8月に岩手医学会にて発表した。また、2003年5月、米国胸部疾患学会に発表する予定である。
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