結核菌の新規蛋白質MDP1による,菌の増殖抑制及び休眠状態誘導の機構解析
Project/Area Number |
14770121
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Bacteriology (including Mycology)
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
松本 壮吉 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (30244073)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,900,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | 結核 / 休眠 / 潜伏感染 / ムコ多糖 / 上皮細胞 / 抗酸菌 / 新興再興感染症 / 蛋白質 |
Research Abstract |
人類の約1/3に結核菌が潜伏感染している。多くの成人型肺結核は潜伏感染菌が原因の再燃による。現在も、毎年8百万人が結核を発病、200万人が死亡している。潜伏感染菌は、一部休眠状態で潜伏しており、既製化学療法薬に対し抵抗性である。潜伏感染菌は肺においてマクロファージのみならず、非貪食性の肺胞状細胞や繊維芽細胞にも感染している。その際結核菌は、細胞表面のムコ多糖を介して上皮細胞に接着し、侵入すると考えられている。 私は増殖を停止した菌が大量に含有するmycobacterial DNA-binding protein、1(MDP1)を見い出し、MDP1が菌の代謝を強く抑制する分子であることを明らかにした。結核菌の休眠誘導/維持におけるMDP1の役割解析を続けている。 一方、MDP1は菌体内のみならず、表面にも存在する。核酸との相同性から菌体表面のMDP1がムコ多糖と結合し、上皮細胞との接着に関与する可能性がある。その解析を行なった。 その結果、MDP1は、ヘパリン、ヘパラン硫酸、コンドロイチン硫酸等と結合することが分かった。結合定数は、10^<-8>〜10^<-12>Mの範囲であった。MDP1はA549ヒト肺胞上皮細胞株に接着し、この結合はヘパリンやDNAまたは抗MDP1抗体で阻害された。細胞をムコ多糖分解酵素処理することでも結合は減衰した。BCGはA549細胞に接着したが、DNAや抗MDP1抗体はこれを阻害した。上記の結果から、菌体表面のMDP1は接着分子としての活性を有し、休眠菌の肺胞上皮細胞への接着に関わると推測された。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)
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[Publications] Yamamoto S, Yamamoto T, Nojima Y, Umemori K, Phalen S, McMurray DN, Kuramoto E, Iho S, Takauji R, Sato Y, Yamada T, Ohara N, Matsumoto S, et al.: "Discovery of immunostimulatory CpG-DNA and its application to tuberculosis vaccine development"Jpn J Infect Dis. 55. 37-44 (2002)
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