C型肝炎における糖尿病多発機序の解明:ウイルス蛋白によるインシュリン抵抗性の発生
Project/Area Number |
14770232
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Gastroenterology
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
新谷 良澄 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (80261965)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | C型肝炎ウイルス / HCVコア蛋白 / インシュリン抵抗性 / 糖尿病 / HCVコア蛋白質 |
Research Abstract |
C型肝炎ウイルス(HCV)感染者には、耐糖能障害を示すものが多いが、従来は併存する肝疾患によって耐糖能障害を示すと考えられていたが、HCVと耐糖能異常の感染性を示唆する事実があきらかになってきた。本研究において、HCV感染と耐糖能異常、糖尿病発症との関連をHCVコア遺伝子導入トランスジェニックマウスモデルを用いて明らかにした。 1.糖負荷試験において、トランスジェニックマウスは空腹時を含めすべての時点でコントロールよりも血糖値は高かったが、統計学的有意差はなかった。 2.トランスジェニックマウスは基礎状態でもインシュリン値が高く、またインシュリン負荷試験において著しいインシュリン抵抗性を示した。 3.高脂肪食を投与すると、トランスジェニックマウスでは糖尿病と発症したが、コントロールでは発症しなかった。 4.トランスジェニックマウスでは、慢性C型肝炎患者にみられるように、tumor necrosis factor(TNF)-α値が高く、insulin receptor substrate(IRS)-1のチロシンリン酸化の阻害を介してインスリン抵抗性の原因の一つになっていると考えられた。 5.トランスジェニックマウスに抗TNF-α抗体を投与すると、インシュリン抵抗性は改善した。 これらの結果は、慢性C型肝炎患者でみられるインシュリン抵抗性1ひいては2型糖尿病の発症にHCVが直接関与していることを実験的に示したものである。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)