心筋梗塞後リモデリングの新たな機序:Toll-like receptorの役割
Project/Area Number |
14770306
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Circulatory organs internal medicine
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
野崎 直樹 山形大学, 医学部, 助手 (50333951)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 心筋梗塞 / 心リモデリング / Toll-like receptor / リモデリング |
Research Abstract |
我々はToll-like receptor 2 knockout(TLR2KO)マウスを用い心筋梗塞後の心リモデリングにおけるTLRの役割について検討した。手術施行前のTLR2KOマウス群とwild type(WT)群で体重、心重量、肺重量および心臓超音波検査で得られた心機能諸指標には差異は認められなかった。心筋梗塞モデルは麻酔後の人工呼吸管理下に冠動脈の左前下行枝を結刹することで作成した。手術死亡はTLR2KOマウス群とwild type(WT)群で差異は認めなかったが、術後4週までの生存率はTLR2KOマウス群(n=80)で有意にWTマウス群(n=107)に比し高かった(65% vs.43%,p<0.03)。心筋梗塞サイズや心筋梗塞部の炎症細胞(好中球およびマクロファージ)浸潤の程度はTLR2KO群とWT群で有意な差は認められなかった。しかし、非梗塞部領域における心筋組織の線維化はTLR2KO群でWT群に比し有意に低下しており、また同部位ではTLR2KO群でTGFβ1の発現低下(65.8%,p<0.01)およびcollagen type 1の発現低下(61.4%,p<0.05)を認めた。術後1週間および4週間において心臓超音波検査を施行したところ、左室拡張末期径(LVEDD)および左室収縮末期径(LVESD)はTLR2KO群でWT群より有意に小であった。(術後1週LVEDD(mm):4.18±0.11および4.61±0.15(p<0.05)、術後4週LVEDD(mm):4.64±0.13および5.13±0.16(p<0.01)。術後1週LVESD(mm):3.04±0.15および3.74±0.19(p<0.05)、術後4週LVEDD(mm):3.53±0.16および4.30±0.16(p<0.01)。)また左室短縮率はTLR2KO群でWT群より有意に高値であった(術後1週:27.5±2.5% vs.21.2±2.6%,p<0.05および術後4週:24.3±2.0% vs.16.6±2.5%,p<0.01)。またTLR2KO群ではWT群に比し、心筋梗塞作成後1日目の非梗塞部心筋でのIL-1βおよびIL-6の産生が有意抑制されていた(IL-1β:3.81±3.3 vs.2.02±1.05pg/mg protein(p<0.05),IL-6:18.85±20.07 vs.4.05±1.01pg/mg protein(p<0.01))。WTマウスの心筋梗塞後1週目の非心筋梗塞部ではTLR2自体の発現が通常の約2.5倍に上昇していた。上記結果より心筋梗塞後のリモデリングにおいてToll-like receptor 2が重要な役割を果たしていることが明らかとなった。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)