Toll様受容体を介した拡張型心筋症発症のメカニズムに関する分子生物学的研究
Project/Area Number |
14770325
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Circulatory organs internal medicine
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
佐藤 衛 岩手医科大学, 医学部, 助手 (90305996)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥3,800,000 (Direct Cost: ¥3,800,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | Toll like receptor4 / エンテロウイルスRNA / 拡張型心筋症 / Real-time PCR / 免疫組織化学染色 / 心筋生検組織 / Toll like receptor / 心不全 / 急性心筋梗塞症 / リンパ球 / Enteroviral replication |
Research Abstract |
本研究では、種々の循環器疾患(うっ血性心不全-基礎疾患:心筋炎、拡張型心筋症、心筋梗塞症および大動脈疾患)での腫瘍壊死因子-α(TNF-α)活性化経路のメカニズムについて研究し、これらの発症のメカニズムについて探求した。 本研究では、エンテロウイルス(EV)RNAおよびTNF-α活性化経路に重要な役割を果たしているToll様受容体(TLR4)とTNF-α変換酵素(TACE)の発現に注目し検討した。 1.心筋炎・拡張型心筋症でのTNF-αカスケードの解明 心筋組織でpositive-strandおよびminus-strand EV RNAを検出した。これらの心筋内ではTLR4mRNAが発現し、その発現量はEV RNAの発現量と正の相関を認めた。これらのRNAの発現量は、心筋炎・拡張型心筋症の重症度と関連していた。EV VP1およびTLR4蛋白の発現を心筋細胞で認めた。以上の結果より、EV感染を介したtollシグナルの活性化は、心筋炎・拡張型心筋症の発症とその重症化に関与していた(Clin Sci 140 2003,Lab Inv 84 2004)。 2.うっ血性心不全(CHF)および急性心筋梗塞(AMI)でのTNF-αカスケードの解明 CHFおよびAMI症例より採取した末梢単核細胞(PBMC)を対象として、TNF-αおよびTACEの発現について検索した。対象群と比較しCHF群とAMI群では、TNF-αおよびTACE mRNAの発現は高値を示した。CHFでのPBMCでTNF-αおよびTACE蛋白質の発現を認めた。さらに、これらのmRNAの発現量は、両群の重症例で高値を示した(Clin Sci 105 2003,Eur J Heart Filure in press)。 3.腹部大動脈瘤(AAA)でのTNF-αカスケードの解明 AAAでの大動脈と動脈瘤の移行部で、TACEおよびTNF-αmRNAの発現を認め、これらの発現量は、瘤径と関連していた。また、TACEおよびTNF-α蛋白は、内膜側の浸潤マクロファージで陽性像を認めた。これらの結果は、AAAの発症にTNF-αカスケードの活性化が関与していることを示唆している(Clin Sci 103 2003)。
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)