Research Abstract |
ボランティア6人に対し,スパイロメータ(Autospiro AS-302,Minato, Tokyo, Japan)を用い,立位にて通常の呼吸機能測定(VC, FEV1%,TV, ERVを含む)を3回施行.続いてCT検査時と同様に仰臥位になり,立位と同様に呼吸機能測定を3回施行した.肺活量,予備呼気量は各々240ml,500mlと,変動幅が大きかったのに対し,一回換気量の差は40mlと軽度であった.努力呼気では通常行われる立位での測定値とはかなり異なることが明となった.次にこれら各測定値の標準偏差値で見たところ,平均で,臥位では肺活量は156ml,努力呼気では198mlと各測定値間にばらつきが大きかったのに対し,1回換気量では80mlと非常に安定した値を示した.1回換気量のばらつきが小さいことは安静呼気位が一定であることを意味する.努力呼気で行われている通常の呼気CTでは,CT値にばらつきが大きく,値の信頼性に乏しいことが示唆された.今後の問題は努力呼気CTで得られた呼吸機能検査値との相関が,安静呼気位CTでも得られるかどうかである.現在,ボランティア,慢性閉塞性肺疾患患者のデータを蓄積中である.Entry症例がまだ少なく,最終評価には至っていないが,現段階での印象としては,安静時呼気CTとスパイロメータとの相関,特に,%VCやFEV1%との関連が伺われる.
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