新規リン利尿ホルモンの標的分子解明と高リン血症治療法の確立
Project/Area Number |
14770552
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Kidney internal medicine
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
伊藤 美紀子 徳島大学, 医学部, 助手 (50314852)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 腎不全 / 無機リン / 高リン血症 / Na依存性リン酸トランスポーター / FGF23 / PHEX / Na依存性リン酸輸送体 |
Research Abstract |
慢性腎不全患者は、糖尿病性腎症の著しい増加や社会の高齢化により年々増加の一途をたどり、現在20万人を数えている。このほとんどが血液透析患者であり、長期透析患者では高リン血症が予後を左右する重要な問題となっている。慢性腎不全患者における治療には、活性型ビタミンDやリン結合薬によりコントロールが試みられているが多くの問題点が残されており、臨床の場では安全なリン吸収阻害剤が切望されている。しかしながら、血中リン濃度の変化がもたらす各組織における分子シグナルやリン濃度を調節する真の作用機序は明らかではない。本研究は新規リン利尿ホルモンの標的分子とその調節系を解明するものである。 生体内のリン調節はおもに腎臓で行われ、腎近位尿細管に存在するNa依存性リン酸トランスポーター(NaPi)が重要な役割を果たしている。食餌性のリンおよび副甲状腺ホルモン(PTH)はNaPiの刷子縁膜から細胞質へのエンドサイトーシスを誘導し、リンの再吸収を阻害する。我々はNaPiのエンドサイトーシスに関与する領域に結合する蛋白質が、食餌性リン並びにPTHのシグナルを伝える分子であると考えた。そこで本分子を同定するために、yeast two-hybrid法を用いてラット腎皮質ライブラリーのスクリーニングを行った。その結果、NaPiに特異的に結合する分子PEX19を同定した。さらにその分子の機能解析を行った結果、食餌性リン・PTHに応答し、NaPiのシグナルを伝える分子である可能性が示唆された。またリン代謝に重要な働きをすると考えられているPHEX遺伝子は、ショウジョウバエにも保存されており、下等な生物からほ乳類に至るまで、共通したリン代謝調節機構が存在することが明らかになった。これらの研究は慢性透析療法患者に使用できる安全なリン代謝改善薬の開発につながるものと期待できる。
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Report
(2 results)
Research Products
(18 results)