病態腎におけるRhoおよびRhoキナーゼ作用の分子メカニズムの検討
Project/Area Number |
14770560
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Kidney internal medicine
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
神田 武志 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (80317114)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2003: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | Rhoキナーゼ / インスリン抵抗性 / 肥満 / 腎障害 / 細胞増殖 / p27 |
Research Abstract |
(背景)Rho/Rhoキナーゼ系は、多くの標的分子の活性化を介して細胞増殖など多彩な細胞機能の調節に関与することが知られるようになった。一方、腎における検討では、我々はRhoキナーゼ阻害薬が慢性腎不全モデルにおいても腎保護作用を有する事を報告した。しかし、肥満・インスリン抵抗性動物における腎障害でのRhoキナーゼの役割は検討されていない。慢性肥満における腎機能障害のメカニズムについての詳細は不明であるが、機能的に腎血流量の上昇、血圧の緩やかな上昇、著明なglomerular hyperfiltraionを呈している。これら血行動態の変化が糸球体内圧の上昇を惹起し、腎障害をもたらしている可能性がある。さらに、肥満における腎微小循環異常として、輸入細動脈でのインスリンによる拡張反応の減弱が認められる。糖尿病モデルラットの血管平滑筋細胞において、血管インスリン抵抗性の機序にIRS-1とRho/Rhoキナーゼ系の関連が報告されており、腎機能障害の成因の一部にRho/Rhoキナーゼ系がかかわっていることが推察された。 (方法、結果)肥満・インスリン抵抗性のモデル動物を片腎摘し、肥満慢性腎障害モデルを作成した。その後、Rhoキナーゼ阻害薬(Fasudil)を投与し、腎障害の進展阻止効果を検討した。投与後24週まで経時的に尿蛋白量を計測したが、明らかな尿蛋白減少効果は認められなかった。また、実験終了時点で腎組織を病理標本に供し、糸球体の肥大に対する影響を検討したが、改善効果は認められなかった。しかし、、片腎摘をしない肥満ラットにRhoキナーゼ阻害薬を投与したところ著明な血糖降下作用を認めた。骨格筋内のインスリンシグナルをウェスタンブロッティングにより検討したところ、IRS-1のセリンのリン酸化がfasudilによって減少していた。 (考察)肥満に伴うインスリン抵抗性の進展に、Rhoキナーゼの活性亢進が関与することが示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)