発生工学的手法を用いた蛋白尿発症の分子機構解明と新しい腎炎・腎症治療法の開発
Project/Area Number |
14770567
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Kidney internal medicine
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Research Institution | Research Institute for Production Development |
Principal Investigator |
菅波 孝祥 生産開発科学研, 研究員 (50343752)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,900,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | 糸球体上皮細胞 / 蛋白尿 / CTGF / Cyr61 / プロスタグランジンE / EP1 / MAPキナーゼ |
Research Abstract |
蛋白尿発症のメカニズムの解明を目的として、糸球体上皮細胞(podocyte)を標的に研究を行い、以下の研究成果を得た。 1.培養podocyteの細胞骨格構築、細胞外基質産生に関する細胞内シグナルの解析 糖尿病性腎症や慢性腎炎などの蛋白尿出現時には、podocyteの形態変化(足突起の癒合)や細胞外基質の過剰産生(糸球体基底膜の肥厚)が認められる。今回我々は、transforming growth factor-β刺激による細胞外基質産生にconnective tissue growth factor(CTGF)の誘導やMAPキナーゼ系(ERK, p38 MAPK)の活性化が重要であることを培養podocyteを用いて明らかにした。また、酸化ストレスによるactin再構成においても、MAPキナーゼ系(ERK, JNK, P38 MAPK)が関与することを見出した。現在、podocyte傷害ネフローゼ症侯群モデル(アドリアマイシン腎症)において、MAPキナーゼ阻害薬が蛋白尿に及ぼす効果を検討中である。 2.podocyte特異的cystein-rich protein 61(Cyr61), CTGF過剰発現マウスの作製と解析 podocyteの傷害が蛋白尿の発症や糸球体硬化につながる一方で、糸球体再生モデル(Thy-1腎炎)では、podocyteが糸球体の再生・修復に重要な働きを果たすことが想定されている。そこで、podocyte特異的(subtraction法)で、かつ糸球体再生時に発現亢進(reverse Northern blot法)する遺伝子のスクリーニングを行った。このうち、胎生期の血管形成に不可欠な因子であるCyr61に注目して、メサンギウム細胞の遊走、接着抑制作用をin vitroで明らかにした。さらに、nephrin遺伝子プロモーターの下流にマウスCyr61 cDNAを連結して、podocyte特異的にCyr61を過剰発現するトランスジェニックマウスを作製した。また、同様にCTGF過剰発現マウスも作製した。現在、両者ともfounderが誕生し、lineの確立を行っている。 3.糖尿病性腎症モデルにおけるプロスタグランジンE受容体EP1特異的阻害薬(EP1A)の効果の検討 1型糖尿病性腎症モデル(ストレプトゾトシン誘発糖尿病)ラットおよびマウスにおいて、EP1Aの投与は、血糖値や血圧に明らかな影響を及ぼすことなく、著明な蛋白尿減少効果を示し、種を超えた有効性が明らかとなった。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)