加齢変化が嗅神経細胞の産生・維持機構に及ぼす影響についての基礎的研究
Project/Area Number |
14770886
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Otorhinolaryngology
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
近藤 健二 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (40334370)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 嗅神経細胞 / 老化 / 再生 / 免疫組織化学 / olfactory marker protein / BrdU |
Research Abstract |
対象と方法 生後10日、3ヶ月、16ヶ月のICRマウスに細胞増殖マーカーであるBrdUを投与し、投与後2時間、1日、2日、3日、5日、7日、14日、28日後に各群3〜5匹ずつ固定、鼻腔組織を摘出した。これを脱灰ののち包埋、冠状断で薄切した。切片を抗BrdU抗体および成熟嗅神経細胞の特異的マーカーである抗OMP抗体を用いて免疫2重染色し、BrdU陽性細胞の分布およびそのBrdU投与後の時間経過による変化、さらに同細胞がOMPと2重に陽性になるまでの時間経過を各年齢群で比較し、嗅神経細胞の前駆細胞の増殖能、およびこれが成熟嗅神経細胞に分化する速度を検討した。 結果と考察 10日齢群においてBrdU陽性細胞は次のような細胞動態を示した。まずBrdU投与後2時間ではBrdU陽性細胞は嗅上皮の基底部および最表層の支持細胞層に位置していた。投与後1〜3日目では個々のBrdU染色がやや薄く、または核内の小顆粒状になり、陽性細胞数はやや増加した。またBrdU陽性細胞の一部がやや表層に移動したが、明らかなOMPとの2重陽性を示す細胞は確認できなかった。5日目ではOMP染色性を示すBrdU陽性細胞が出現し、7日目ではこの2重陽性細胞の数が増加した。14日目ではほとんど全てのBrdU陽性細胞がOMP陽性となったが、BrdU陽性細胞の総数は7日目に比べ大きく減少した。28日目はさらにBrdU陽性細胞数が減少していた。3ヶ月齢群、16ヶ月齢群においてはBrdU陽性細胞数が10日齢群に比べて大きく減少していたが、OMPとの2重陽性を示す細胞の出現過程については10日齢群とほぼ同様の所見であった。以上の結果よりBrdUを取り込んだ新生細胞がOMP陽性となるまでの時間経過は10日齢群と16ヶ月齢群で大きな差異は認められず、嗅神経への分化速度は加齢変化で大きな影響を受けていないことが推察される。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)