末梢神経性嗅覚障害の早期改善・治癒のための基礎的研究
Project/Area Number |
14770904
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Otorhinolaryngology
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
齋藤 正一郎 愛媛大学, 医学部, 助手 (60325371)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 嗅覚障害 / 神経栄養因子 / プロサポシン / 嗅覚系 / 神経再生 / 発生 / In situ hybridization / 免疫組織化学 |
Research Abstract |
嗅神経細胞の障害に起因する末梢神経性嗅覚障害は、患者のquality of lifeを著しく低下させ、大変な精神的苦痛を強いる疾患である。本申請研究では、従来の治療法に加えて、神経細胞の保護や再生促進効果の高い神経栄養因子の点鼻投与による末梢神経性嗅覚障害の早期改善・治癒を目的としており、そのために神経栄拳因子プロサポシンに注目して研究を行ってきた。平成15年度科学研究費補助金により、以下の点について解明した。 1)嗅覚系におけるプロサポシン発現パターンの解析 プロサポシンは2種類の機能を有している。一つは、合成後直ちにリソソームに運ばれてサポシンへと分解されて、リソソーム内の糖脂質分解酵素を活性化する因子としての機能であり、もう一つは、サポシンへと分解されずに、組織によっては細胞外へと分泌されて、アポトーシスを防ぎ軸索伸長を促進する神経栄養因子としての機能である。しかしながら嗅覚系組織においては、サポシンへと分解されていないプロサポシンそのものの発現性については不明であった。本研究では嗅上皮、鋤鼻器および嗅球をwestern blottingにより解析し、プロサポシンそのものが嗅覚系組織で発現していることを明らかにした。加えて、嗅上皮および鋤鼻器をプロサポシンに対する抗体および各種マーカーを用いた免疫組織化学的手法により検討し、嗅上皮では幹細胞を取り因む支持細胞のfoot processおよび幹細胞の一つであるhorizontal basal cellがプロサポシンを多く含有していることを明らかにした。昨年度の研究により、プロサポシンのmRNAは支持細胞を除いて嗅上皮に広く分布していることを明らかにしており、本研究結果と照らし合わせることにより、プロサポシンは嗅神経細胞で合成された後、細胞外へと分泌されて支持細胞のfoot precessおよびhorizontal basal cellへ取り込まれることが示唆された。すなわち本研究により、嗅上皮におけるプロサポシンの発現動態が明らかにされ、またプロサポシンの点鼻投与が末梢神経性嗅覚障害に有用となりえることが明らかにされた。 2)神経障害時におけるプロサポシンの発現変化についての解析 本研究では神経障害モデルの作製が比較的容易であるラット顔面神経系を用いて、実際の神経障害時におけるプロサポシンの発現動態についてin situ hybridizationにより検討した。結果、神経切断手術後3日目から、顔面神経核の運動ニューロンにおいてプロサポシンmRNAの著しい増加が観察された。このmRNAの増加は手術後7日目まで観察され、その後徐々に減少していき、手術後50日目では最初のレベルへと戻った。本研究は神経障害時におけるプロサポシン投与時期の検討の一助になると共に、生体におけるプロサポシンの神経栄養効果についてのメカニズムの解明の一つの土台となると思われる。
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Report
(2 results)
Research Products
(12 results)