Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Research Abstract |
近年,矯正学的な歯の移動時において,圧迫側での機械的刺激(メカニカルストレス)を最初に受容する歯根膜組織の重要性が報告されている.従来より、その圧迫側において,一層の歯根膜組織において細胞死の状態に陥っている様子が、組織学的に観察されている.そのため,圧迫側における歯根膜組織の細胞死機構について検討することは,意義あることと思われる. また,歯の移動時の圧迫側では,種々の炎症性サイトカインやプロスタグランジンの誘導が報告されているが,これらの生理活性物質による歯根膜線維芽細胞の細胞死誘導作用について詳細な検討は少ない.そこで,プロスタグランジン等の生理活性物質が,歯根膜組織に細胞死を誘導するか否か,人の抜去歯から遊走した歯根膜線維芽細胞^*を用い検討を行った. 種々のプロスタグランジンを,歯根膜線維芽細胞に作用させ、色素取り込み実験で、その細胞死について検討したところ、プロスタグランジンE_1とプロスタグランジンE_2において細胞死誘導作用が確認された.最近の研究は,細胞死誘導機構にはネクローシスとアポトーシスとがあることを示している.そのため,プロスタグランジンE_1とプロスタグランジンE_2による細胞死がアポトーシスによるものか否かを検討する目的で,アガロースゲル電気泳動によるDNAの断片化の検出と,蛍光色素による核染色による顕微鏡下での形態学的変化について検討した.その結果,プロスタグランジンE_1とプロスタグランジンE_2は、本細胞のDNAの断片化を誘導し、核の形態学的な変化を誘導することを確認した。この結果から,プロスタグランジンE_1とプロスタグランジンE_2誘導性細胞死は、アポトーシス機構により制御されていることが示された。また,矯正学的な歯の移動時における局所反応時では,プロスタグランジンE_1とプロスタグランジンE_2は、歯根膜細胞の細胞死に密接に関係する可能性が推察された。 *上記の研究におけるヒト歯根膜由来歯根膜線維芽細胞の使用は,2002年6月26日に明海大学歯学部倫理委員会によって許可された。その後、定期的に、本委員会で、研究内容の審査を受けている。
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