酸性条件下で発生させた遷移金属エノラートを鍵とする触媒的不斉反応の開発
Project/Area Number |
14771238
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Chemical pharmacy
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
濱島 義隆 東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (40333900)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | パラジウム / 触媒的不斉反応 / パラジウムエノラート / マイケル反応 / フッ素化反応 / マンニッヒ型反応 / イオン性液体 / 触媒の再利用 / 触媒的不斉合成 / 酸性条件 / α-フッ素-β-ヒドロキシカルボン酸 / α-フッ素-β-アミノ酸 |
Research Abstract |
光学異性体の片方を効率良く合成することは医薬や農薬、液晶材料などの生産において重要であるため、我々は触媒的不斉合成法の開発に取り組んでいる。昨年度は、我々がこれまでに報告したキラルPd錯体の特性を理解した上で新しい反応機構を提案し、それに基づいて一般性が高く、かつ高エナンチオ選択的な触媒的不斉マイケル反応やフッ素化反応の開発に成功した。本年度は先に提唱した反応機構、すなわちエノラート生成に伴って生じるプロトン酸が求電子剤の活性化に重要な役割を果たしているという知見を更に検証する目的で、プロトン酸によって活性化されやすいイミンを求電子剤とするマンニッヒ型反応の検討を行った。その結果、マイケル反応に比べ圧倒的に大きい速度で反応が進行することが分かり、生成物の不斉収率も最高99%に達することが分かった。現在、反応剤の拡張を検討中である。 我々の反応は触媒量のPd錯体で進行し良好な結果を与えるものの、高価なPd錯体をカラムによって除去しなければならず、その回収は困難であった。そこで、Pd錯体の回収・再利用を検討した。その結果、Pd錯体がイオン性液体に容易に溶解し、固定されることを見い出した。Pd錯体が溶解したイオン性液体中で触媒的不斉フッ素化を行ったところ、最適溶媒であったエタノール中と同じ不斉収率でフッ素化体を得た。反応終了後、生成物はエーテルによって抽出でき、錯体はイオン性液体中に保持された。したがって、フッ素化反応を同じ触媒溶液を用いて繰り返し行うことができ、反応を11回連続で行った。イオン性液体中での錯体の再利用はフッ素化反応だけに限らず、炭素-炭素結合形成反応であるマイケル反応も同様に行うことができることを明らかにした。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)