Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
牛胎仔血清のエーテル抽出物中より発見した新規神経保護活性物質であるセロフェンド酸について、中枢ニューロン死に対する作用および生理活性物質としての作用を検討した。セロフェンド酸は培養大脳皮質ニューロンにおけるグルタミン酸誘発アポトーシスを抑制し、その抑制作用の一部にはアポトーシスの実行に重要な役割を果たしていると考えられているプロテアーゼであるカスパーゼ3の活性抑制が関与していることを明らかにした。また、培養線条体ニューロンを用いた活性酸素種により誘発される毒性に対し保護作用を示し、その作用機序の一部にヒドロキシルラジカルの除去作用が関与していることを明らかにした。さらに、培養大脳皮質アストロサイトにおけるcAMP刺激による星状形態への変化をセロフェンド酸が促進し、その促進メカニズムにcAMPの標的酵素であるPKAの調節が関与していることを明らかにした。生体内でのセロフェンド酸の産生、蓄積部位の同定を目的としセロフェンド酸の定量法について検討した。これまでマススペクトリー法を用いた簡易定量法を用いていたが、手法が煩雑で定量性に乏しいので新たな手法として蛍光測定法を検討した。その結果、これまでマススペクトリー法でセロフェンド酸の存在が明らかになっているウシ胎仔の肝臓での検出が可能になった。今後、ウシ胎仔の肝臓以外の臓器での測定することにより体内分布を明らかにし、また胎仔、新生仔、幼若期、成熟期での検討を行う予定である。
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