Project/Area Number |
14771300
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biological pharmacy
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Research Institution | Kyushu University (2003) Okazaki National Research Institutes (2002) |
Principal Investigator |
西田 基宏 九州大学, 大学院・薬学研究院, 講師 (90342641)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥4,000,000 (Direct Cost: ¥4,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | 受容体活性化チャネル / Ca2+チャネル / 活性酸素 / Ca2+オシレーション / ホスホリパーゼC / 遺伝子 / 細胞・組織 / 生体分子 / 生理学 / 薬理学 |
Research Abstract |
本研究では、受容体活性化Ca^<2+>チャネル(TRP)の活性化機構および生理的意義の解明を目標として研究を進めてきた。 (1)受容体刺激により細胞内で生成される活性酸素種(ROS)や活性窒素種(RNS)は、数百nMから多くて数μM程度に及ぶ。このROS/RNSによって直接的に酸化修飾を受け活性化されるTRPチャネルが存在することを見出した(論文投稿中)。この結果は、我々が昨年報告したTRPM2(Hara et al.,Mol.Cell,2002)とは異なる機構で開口活性化されることを意味するものであり、TRPM2活性化による細胞死誘導とは異なる生理的役割を有するものと考えられる。 (2)非興奮性細胞において、受容体刺激によって引き起こされる持続的なCa^<2+>振動(オシレーション)は、受精や細胞増殖・遺伝子発現において非常に重要な役割を果たしている。しかし、Ca^<2+>オシレーションの発生メカニズムは古くからの謎とされてきた。私達のグループが新たに開発したイノシトール1,4,5-三リン酸(IP_3)検出蛍光プローブを用いて、受容体刺激による細胞内Ca^<2+>動態と細胞内IP_3動態を経時的に解析した。その結果、受容体刺激によって惹起されるCa^<2+>流入がホスホリパーゼCγ2(PLCγ2)の膜集積を引き起こし、活性化されたPLCγ2が持続的にIP_3を産生することがわかった。さらに、Ca^<2+>流入を担う分子実体がTRPチャネル(TRPC3)であること、TRPC3とPLCγ2が恒常的に結合していることを明らかにした。 これまで受容体刺激で引き起こされるCa^<2+>流入が直接的に、持続的なCa^<2+>オシレーションを発生させると考えられてきたが、本研究により、Ca^<2+>流入に依存したIP_3産生による細胞内Ca^<2+>ストアーからのCa^<2+>放出こそが、オシレーションの発生に重要であることが明らかとなった。また、この知見は、TRPチャネルを中心としたシグナルタンパク質複合体形成のもつ、生理的意義を示した初めての報告である。
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