癌化学療法における多剤耐性の克服を目指した機能性リポソームの研究開発
Project/Area Number |
14771310
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
医薬分子機能学
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
石田 竜弘 徳島大学, 薬学部, 助教授 (50325271)
|
Project Period (FY) |
2002 – 2003
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
|
Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
|
Keywords | リポソーム / ドラッグデリバリーシステム / 癌化学療法 / 多剤耐性 |
Research Abstract |
平成15年度に行った検討から、以下に示す知見を得た。 1)癌細胞標的化のためのリガンド付与リポソームの設計 鉄の運搬体であり、癌細胞に高発現しているトランスフェリン受容体のリガンドであるトランスフェリンをリポソーム表面に化学結合させる事により、癌細胞に高親和性のある標的化リポソームの調製に成功した。このリポソームは抗癌剤のドキソルビシンを安定に保持することが可能であり、ドキソルビシンに耐性を示す細胞(SBC-3/ADM)に対して高い殺細胞効果を示すことが分かった。一般に受容体を介したリポソームの細胞内取り込みは、受容体依存的なエンドサイトーシスであることが知られているが、種々の阻害剤を用いた検討の結果、受容体を利用した細胞膜とリポソーム膜の融合、あるいは脂溶性の高いドキソルビシンの細胞膜へのトランスファーによる可能性が高いことが明らかとなった。 2)酵素感受性高分子脂質によるリポソームの修飾 受容体依存的エンドサイトーシスにより内在化された後の最大の課題は、いかに速やかにリポソームから薬物を放出させ、bioavailableにさせるかという点である。この課題を克服するため、昨年度pH感受性リポソームの利用を行った。しかしながら、pH感受性リポソームの安定性を向上させる目的で修飾剤として用いたポリエチレングリコールは、残念ながらpH感受性を抑制することが分かった。そこで、細胞内ライソゾーム酵素によって選択的に切断されるペプチドをPEG化リン脂質のスペーサーとして用い、酵素-pH感受性リポソームの開発を試みた。In vitroでの検討の結果、特異酵素と低いpH環境(4.5-6.0)でのみ内封薬物を放出することが示唆された。現在上記技術を融合させた標的化酵素-pH感受性ドキシルビシン封入リポソームを用いて、耐性癌への殺細胞作用について検討しているところである。
|
Report
(2 results)
Research Products
(3 results)