条件的不死化細胞株を用いた脳関門を制御する分子機構の解明
Project/Area Number |
14771332
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
応用薬理学・医療系薬学
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
堀 里子 東北大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (70313145)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 脳関門 / 条件的不死化細胞株 / 共培養系 / 星状膠細胞 / 周皮細胞 / ABCトランスポーター / ABCG2 / Occludin / P糖蛋白 |
Research Abstract |
血液脳関門(BBB)機能は脳毛細血管内皮細胞とその周囲を覆う星状膠細胞や周皮細胞によるパラクライン作用によって制御されるがその機構はほとんど不明である。循環血液から脳へのparacellular輸送を制限する密着結合分子(TJ)、transcellular輸送を担う排出輸送担体は脳への薬物透過性を決定する重要なBBB機能分子である。申請者は昨年度の研究成果として、条件的不死化細胞株を用いた共培養BBBモデルを構築し、TJ分子occludinが周皮細胞由来のangiopoietin-1によって誘導されることを示した。本年度は構築した共培養BBBモデルを用い、薬物排出輸送担体ATP binding cassette (ABC)G2に着目し、ABCG2のラットBBBにおける発現と機能、さらには周囲の細胞による制御機構の解明を目的とした。申請者はABCG2のラットホモログ(rABCG2)を脳毛細血管分画からクローニングした。rABCG2遺伝子導入細胞株を構築し、rABCG2が薬物排出輸送活性をもつことを明らかにした。さらに、免疫組織学的解析からrABCG2がラット脳毛細血管の血管側細胞膜に局在していることを示した。以上から、rABCG2はBBBにおいて薬物を血液中に汲み出す輸送担体として働くことが示唆された。脳毛細血管内皮細胞におけるrABCG2輸送活性及びmRNA量は星状膠細胞由来液性因子によって上昇した。一方、周皮細胞由来液性因子によってはいずれも変化しなかった。以上から、BBBにおけるrABCG2機能は星状膠細胞によって維持されていることが示唆された。本研究から、周囲の細胞によるBBB制御機構として、星状膠細胞由来液性因子がABCG2活性を上昇させる経路、周皮細胞由来angiopoietin-1がTie-2を介しoccludin発現を上昇させる経路が同定された。
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Report
(2 results)
Research Products
(14 results)