Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2003: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2002: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Research Abstract |
ファージ型別,コアグラーゼ型別,ゲノム型別などを組み合わせて,MRSAの院内感染調査や疫学調査を行ってきたが型別成績と病原性や病原因子といった菌株の性質との間には相関が見いだされなかった。 MRSA感染症の予後が良好であるかどうかについては患者側の免疫力の有無によるところが第一であるが,菌側の性質も重要な要因であると考えられる。臓器への定着の強弱や溶血性の原因となる菌側の要因が明確になれば,それをマーカーとして病原性と関連した菌株の型別が可能であると考え本研究を計画した。 本研究では附着性,溶血性およびその調節遺伝子に関連する遺伝子としてfibA, clfA, clfB, sdrC, sdrD, sdrE, cna, spa, bbp, ebpS, map/eap, icaA, icaD, eno, hla, hlb, sak, agr subgroup1〜4のPCR法による検出方法の確立を行い,臨床分離されたMRSAとマウス腎臓への菌の定着と菌の保有している上記遺伝子の有無との関係を調べた。その結果,接種菌株の性質によってマウス腎臓での膿瘍形成に差はあったものの上記遺伝子の保有との明確な関係は示すことができなかった。 また,保有している遺伝子の発現をみるために上記遺伝子由来mRNAの転写活性のRT-PCR法による検出方法の確立を行い,臨床分離されたMRSAとマウス腎臓への菌の定着と菌の保有している上記遺伝子の転写活性の有無との関係を調べた。その結果,マウス腎臓での膿瘍形成の株間差と上記遺伝子の転写活性保有との相関を示すことはできなかったが,転写活性量とマウス腎臓への定着に違いが認められたことから今回検討した以外の遺伝子調節に関わる遺伝子の存在が示唆された。
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