Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
愛知県N町の65歳以上の地域在住高齢者を対象に、視覚刺激を与えない状態と与えた状態である静止画像と動画像(歩行速度:4km/h、自動車走行速度:60km/h)で、身体動揺(重心動揺計を使用)を測定した。画像はフェイスマウント・ディスプレイにビデオ撮影をした道路画像を上映し、被験者が道路を前進するように視認できるようにした。身体動揺は重心動揺計を用いて測定をおこなった。身体動揺測定以外には、視力検査、および過去一年間の転倒経験などに関する聞き取り調査をおこなった。また、それにともない老研式活動能力指標や日常生活上で転倒に関連すると思われる質問紙を作成し、聞き取り調査を実施した。その中で転倒との関係に注目しながら、バランスを崩す過程に視覚情報がどのように関係するかを検討した。なお、重心動揺測定項目は、総軌跡長、矩形面積、外周面積の3項目とした。286名の調査参加者から視力0.3未満かつ老研式活動能力指標11点未満に該当する者を除いた204名(72.7±8.7歳)を分析対象とした。過去一年間の転倒経験者は52名(25.2%)であった。二元配置分散分析の結果、総軌跡長、矩形面積、外周面積の3項目とも視覚刺激の速さと転倒の有無は重心動揺に対して有意な主効果を示したが、交互作用は認められなかった。以上から、転倒経験者は重心動揺が大きいこと、視覚刺激の速さが増すと重心動揺が大きくなることが示され、強い動的視覚刺激を与えるほど転倒する危険性が増すことが示唆された。
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日本老年医学会雑誌 42・1
Pages: 106-111
10015425505
日本公衆衛生雑誌 51・10
Pages: 722-722