Project/Area Number |
14771416
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Clinical nursing
|
Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
金正 貴美 香川大学, 医学部, 助手 (00335861)
|
Project Period (FY) |
2002 – 2003
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
|
Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2003: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2002: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
|
Keywords | 運動ニューロン病 / 不確かさ / 看護師 |
Research Abstract |
I.目的)ALSの病気の不確かさと気分の実態を把握する。結果)8名を十分な意思伝達ができないため除外し、対象は35名(男23,女12)となった。平均年齢は59.5±8.2歳、自宅療養が15名、入院20名、呼吸器装着の有無は、非装着9名、TIPPVは25名、NIPPVは1名であった。平均罹病期間は6.2年±5.6であった。ALS身体機能症状の平均は、四肢7.2±14.6、球15.2±13.2であった。POMS平均は緊張-不安13.1±6.6、鬱-落込25.6±14.4、怒-敵意15.6±8.7,活気9.1±4.9.疲労10.2±5.6、混乱10.1±3.9であった。ALSの不確かさの平均は83.9±27.7、MUISはambiguity63.1±14.8、comprexity22.1±6.4、MUIS-Cは61.4±11.1であった。 今回作成したALSの不確かさ尺度を、基準関連妥当性検討のためにMUISとMUIS-CとPOMSとの相関を検討した結果、MUISとPOMSとは中程度の相関がみられたが、MUIS-Cとは相関がみられなかった。構成概念妥当性の検討は、希少疾患ではあるがさらに対象者数を増やした上で因子分析を行うことが課題となった。信頼性の検討として、調査して2週間後の再テストの信頼性係数は0.8、内的整合性cronbach αは0.9と高かった。 不確かさ及びPOMSの平均値は、呼吸器装着の有無の2群で比較すると、有意な差はなかった。また入院患者20名の不確かさ・気分と罹病期間は、ALSの不確かさ(r=0.4),緊張-不安(r=0.5)、欝-落込(r=0.5)と正の相関があった。既存の不確かさ(MUIS)とは相関は認められなかった。以上から入院患者は罹患病期間が長いほど、病気に対する不確かさや不安・欝を抱く傾向にあり、専門的な精神支援を積極的に行う必要性が示唆された。 II.目的)運動ニューロン病患者の不確かさに看護師がどのように対応しようとしているのかを明らかにする。結果)対象者は女性10名、平均年齢39.4±9.7歳、運動ニューロン病看護経験平均年数5.4±2.0年であった。質的帰納分析より身体、病気の経過、対人関係、生きる意味での対応が得られた。結果は信用可能性を高めるために対象者チェックを行った。身体では、患者の動きたい希望と現実に動く動作にギャップがある場面、安楽な体位を探し位置決めを行う場面、症状緩和の場面があり、患者の意思を尊重しつつニードに沿った対応を行っていた。病気の経過は過去の振返り、症状や予後の受け止め、今後の見通しの場面があり、患者の心情を理解し共感しながら受容しやすいような説明を行っていた。対人関係では文字盤の導入や一文字でニードを把握できる積み重ね、患者家族がケアを通して互いに妥協し満足できる関係を目指した対応であった。生きる意味では死にたいと悩む患者の話を傾聴し、家族関係の中で生きる意義を見出せるようにし、患者が楽しめる病棟行事を行っていた。これらの対応は今後精選させることで、看護活動を明確化する一助になると考えられる。
|