Project/Area Number |
14771434
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Clinical nursing
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Research Institution | St. Luke's College of Nursing |
Principal Investigator |
下枝 恵子 聖路加看護大学, 看護学部, 講師 (90299991)
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Project Period (FY) |
2002 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2004: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2003: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | 造血器腫瘍患者 / 外来患者 / 心理教育 / グループ / 不安・抑うつ / 患者学習センター / ストレス・コーピング / Representational Approach / 不安 / 抑うつ / ストレスコーピング |
Research Abstract |
本研究は3ヵ年の最終年度であり、その結果を報告する。 【研究目的】本研究は、3ヵ年計画を通じて病院内の「患者学習センター」で実践可能な造血器腫瘍患者への心理教育プログラムの実施マニュアルを作成・実施し、その評価を行う。 【平成14年度に作成したプログラム内容】(1)対象:外来通院中の18歳以上の白血病、悪性リンパ腫を診断されたもの、告知後1ヶ月以上経過したもの、(2)参加人数:4〜7名程度、(3)スタッフ:看護師〔2-3名〕、医師〔1名〕、(4)時間と回数:原則週1回、1回90分(初回のみ120分)、1クール5セッション、(5)テーマ内容:(1)血液の働き、(2)病気と治療、(3)ストレスが生じる原因と影響、(4)安心して生活する方法、(5)これからの生活、(6)教材:上記のテーマに沿った資料、(7)実施場所:都内総合病院の「患者学習センター内」 【調査方法】(1)対象:上記の条件に満たしたもの(2)測定用具:(1)属性データの自己記入式質問紙、(2)日本語版POMS(気分プロフィール)、(3)コーピング尺度、(4)自尊感情尺度、(5)感想用紙、(6)テープ録音(3)測定方法:質問紙は介入前、終了後直後、3ヵ月後の3時点に亘って実施、およびセッション中のテープ録音(4)分析方法:統計処理および内容分析(5)倫理的配慮:本研究は、研究者所属の研究機関およびフィールド先施設の倫理審査委員会で承諾の上実施。 【結果・考察】平成15・16年度(2年間)に5グループを実施。参加者は女性15名、男性12名の合計27名。平均年齢58.1歳。プログラム介入直後は、参加者のPOMS総得点と、POMS下位項目である『抑うつ』、『混乱』の有意な改善(P<0.05)がみられた。長期的(介入3ヵ月後)には、『抑うつ』と、消極的なコーピングとされる『回避・逃避型』に有意な改善(P<0.05)がみられた。内容分析からは、初回はプログラムへの参加によって[辛い体験を思い出す]という声も一部にみられた。しかし、回を重ねることで[同病者との分かち合い][医療者と患者との信頼関係の構築][病気や治療の知識の獲得][将来への希望や前向きな考えへの変化]などの機会が得られていた。以上より、本プログラムは、長期的な効果も期待ができ、院内にある「患者学習センター」での活動内容に加えることが可能である。
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