範例的教授・学習理論に基づく数学授業の教授と数学的活動に関する研究
Project/Area Number |
14780098
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Science education
|
Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
両角 達男 静岡大学, 教育学部, 助教授 (50324322)
|
Project Period (FY) |
2002 – 2004
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
|
Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
|
Keywords | 範例 / 範例的なもの / 核となることがら / 問いの連鎖 / 代数の教授・学習過程 / シンボルセンス / CAS / 学習カリキュラム / 二面的開示 / 範例的教授・学習理論 / 問うこと / 数学教授 / 教授過程 / 内省 / 数学的活動 / 範疇 / 観点の変換 / テーマ性 / 価値の追求 / 数学授業の教授 / 内省的な記述 |
Research Abstract |
本年度は、次の2つのことがらについて、考察を進めた。 (1)範例を形づくるよりどころとしての「何を志向し、何に価値をおき、何を培うのか」を具体的に明らかにしていくこと。 (2)「問いの連鎖」を促す対話や協働的な活動には何があり、その諸活動が「問いの連鎖」を促進するために具体的にどのような機能をもつのかを明らかにすること。 (1)については、授業実践者としての授業の反省的分析、単元に着目した「核となることがら」(本質的なことがら)の抽出、代数領域に焦点をあてた「何を志向し、何を培うのか」の可能性の検討の3つの側面からの分析を行った。第一に、両角自身が筑波大学附属中学校にて行っていた10年間の授業実践記録より、範例的教授・学習の視点から浮かび上がる「範例」や「範例的なもの」の抽出と分析を行った。1組の三角定規を活用して15°の角をつくること、折り紙から1組の三角定規をつくること、地図との関連を意識した座標の学習、式を読むことを重視した文字式の学習などの事例である。第二に、小学校1年から高校1年までの必修過程に焦点をあてて、単元ごとに2〜3ずつ「核となることがら」(本質的なことがら)の抽出を行った。これは、範例から「範例的なもの」を抽出していくことを意識している。第三に、式を読むことを重視した文字式の学習活動に密接に関わりのあるシンボルセンスの育成に関して、フロイデンタール研究所のDrijversの学位論文(2003)やArcabiなど、最近の代数の研究動向を分析した。DrijversはCAS (Computer Algebra System)を活用した中等教育段階の代数学習の理論的枠組みを、4つの観点の融合により形成している。その一つとして「CAS-メンタルシェマ-範例」による連続的な学習過程の形成がある。学習者が範例と出逢い、範例的なものを意識化・顕在化、了解、内的同化していく過程に迫ろうとしている。CASの活用などを通して、代数領域でどのような教授・学習が可能になり、何を培うことができるのか。範例的教授・学習理論、学習カリキュラムの形成の視座から、継続的に考察を行っているところである。連続的な研究として、平成17年度からの研究テーマとする。 (2)については、浜松市立村櫛小学校の教育実践に焦点をあて、単元レベルで考察を行った。子どもたちに問いが育まれるために、単元の前半ではどのような範例が形成され、範例を起点とした学習活動が変容していくか。村櫛小の先生方との継続的な研究協議、継続的な授業参観、単元の前半部と後半部に記述する「子どもたちのはてな」の変容の分析などを通して、(2)の考察を具体例に基づき実証的に行った。
|
Report
(3 results)
Research Products
(15 results)