高機能自閉症児における「ルール制御」に基づいた社会的行動支援に関する研究
Project/Area Number |
14780143
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
教科教育
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Research Institution | Hyogo University of Teacher Education |
Principal Investigator |
井澤 信三 兵庫教育大学, 学校教育学部, 講師 (50324950)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | 自閉症 / 社会的行動 / ルール制御 / 応用行動分析 / 問題解決 / 高機能自閉症 |
Research Abstract |
昨年度に実施した研究Iにおける今後の課題は、1.「ルール」制御を成立させるための指導技法についてさらに検討する必要性があること、2.日常場面における般化の成立のための条件の検討、の2点であった。今年度に実施した研究IIでは、その研究課題を検討した。 本研究では、自閉症児に対して問題状況を解決するための技能を「ルール制御」によって指導し、その獲得と般化について検討することを目的とした。本研究の特色は、生態学的調査によって標的行動を選定すること、および指導技法として「ルール制御」をより効果的なものにするためにモデル・ビデオを使用したこと、であった。指導では、「○○(場所名)に行って、□□(物品名)をとってきてください」といった言語指示を与え、事前の調査より明らかにした「未知刺激」と「既知刺激」の4つの組み合わせ(即ち、(a)「既知」+「既知」,(b)「既知」+「未知」,(c)「未知」+「既知」,(d)「未知」+「未知」)を課題の条件とした。「ルール制御」が確立する可能性を高めるために、(1)図式化した「約束(ルール)カード」の提示および説明、(2)モデル・ビデオ視聴による「ルール」の確認、(3)行動リハーサルを実施した。問題解決技能として、標的行動は「教示要求行動(1)(指示提示直後)」「教示要求行動(2)(指示遂行途中)」「(指示者に対する)報告行動」の3タイプとした。指導の結果、標的行動を使用した問題状況への対処が可能となり、特に、「教示要求行動(1)」の使用が多かった。また、学校場面における般化エピソードでは、実際に標的行動が生起したことが示された。考察では、「ルール制御」による指導法の有効性とその問題点について考察された。 研究I(平成14年度)および研究II(平成15年度)により、高機能自閉症児における「ルール制御」による社会的行動支援の有効性について示すことができたと考えられる。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)