視覚障害教育における保護者のニーズと教員の専門性に関する研究
Project/Area Number |
14780147
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
教科教育
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
小林 秀之 広島大学, 大学院・教育学研究科, 助教授 (90294496)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2003: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 視覚障害 / 盲児 / 弱視児 / 保護者 / ニーズ |
Research Abstract |
本研究は,盲学校教員の専門性を考える上で,単に従来から指摘されてきた内容を羅列するのではなく,盲学校で提供できるサービス(専門性)を保護者のニーズ(願い)という視点で整理し直すことを目的とした。 保護者のニーズを捉えるため,これまで報告されている視覚障害教育に携わる教員に必要とされる専門的知識,視覚障害児の保護者等が執筆した手記等を参考に,50項目の質問紙を作成した。 大学の教育相談に来談する保護者を中心に10家族に研究協力の依頼を行い9家族から回答を得た。その結果,当然のことではあるが,盲児,弱視児,重複障害児の保護者によりニーズに違いが見られた。まず共通してニーズの高かったものは,「視覚や触覚でのもののとらえ方について」「就学・進学について」であった。盲児と弱視児の比較では,盲児に「視覚代行機器について」の項目が高く,一方弱視児では「視力値や見え方について」が高く,視力の程度がニーズに影響を与えていることが明らかである。 さらに,子どもが乳幼児期から現在までの間に,どのようなニーズがあったかを分析した結果,子どもの年齢がどの段階であっても必要となる項目と,年齢段階に応じて必要となる項目があることが明らかとなった。具体的には,乳幼児期では「子どもの眼疾患について」の情報を必要とし,幼児期には「盲学校や弱視学級について」の情報が必要となり,小学校低学年では「親のもつ権利」や学習に関する情報を必要とする。さらに,視覚障害児の保護者が必要とする情報に,視力の程度やその他の要因で顕著に差が出てくるのは,小学校高学年段階からであった。 これらの結果から,障害の程度や年齢を踏まえた上で,子どもに対する直接的指導や保護者に対する働き掛けの内容を検討していく必要性を指摘できる。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)