Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2002: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Research Abstract |
本研究で開発したOpenMPコンパイラによって,行列積プログラムをコンパイルし,PCクラスタで実行した結果,8ノートで7.8倍の性能向上が得られたのを受け,その結果について国際会議で発表した.このことにより,本研究で掲げた目的に対して,一定の成果が得られたものと考える.また,本コンパイラの主要構成要素である,quadと呼ばれる配列範囲記述子を利用して,3種類のアプリケーションプログラムを実行した場合に発生するメッセージ数,データ転送量、記述子間の演算コスト等について詳細に評価し,その結果について,論文誌に投稿した(本報告書の執筆時点では,査読中である). 本研究によって一定の成果を挙げることができた一方で,本研究で開発したコンパイラの問題点・限界が判明したことも事実である.現コンパイラよりも機能的・性能的に強化したOpenMPコンパイラを実現するためには,以下のような改良が必要であると考える.1)現コンパイラは,OpenMPディレクティブにより並列実行を指示するブロック内に手続き呼び出しがあるようなプログラムをコンパイルすることができない.この問題を克服するため,手続き内でアクセスされる配列に関する情報を呼び出し側で扱える機能を開発する必要がある.2)コンパイル時に解析しきれない,動的なアクセスパターンを示すアプリケーションプログラムを扱うことも現段階では不可能である.一方,従来の分散共有メモリ(DSM)システムは,静的な解析情報を利用しないために,性能向上に限界があった.すなわち,現コンパイラの手法とDSMの手法は相補的な関係にあり,これらを融合させることにより,計算機クラスタの性能を最大限に引き出す,共有メモリ型プログラミング環境を構築できるものと考えられる. 今後は,本研究を通して得られたこれらの新たな知見をもとに,発展的に研究を進めていく考えである.
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