Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Research Abstract |
本研究では,無線環境において,複数移動端末上のプログラム(エージェント)が指定した条件でグループを形成する機構と,グループメンバ間でマルチランデブ(複数並行プロセス間で,指定された条件が成立する時に,同期通信によりデータ交換を行う機構)により通信できる機構を有する形式モデルを考案した.本モデルでは,アプリケーションシステム全体は,当初,互いに独立に動作するエージェントの集合として与えられる.グループの形成は,本モデルの通信プリミティブである「メンバ募集」および「参加要求」により実現される.あるエージェントが「メンバ募集」によりグループのメンバを募集し,無綿範囲内にいる別のエージェントが,これに対し「参加要求」を実行することで,これらエージェント間でのグループが形成される.また,グループ内のどのメンバからでも,さらなる「メンバ募集」を実行できるようにすることで,3以上のエージェントからなるグループを形成できる.グループ形成時の条件として,位置情報に基づく端末間の距離やキーワードの関連度を指定することも可能である.グループメンバ間では,グループ形成時に指定した通信チャネル名のリストが共有され,これらのチャネルを通じて,マルチランデブによる通信が行える.グループ内のマルチランデブを実現するため,あるグループ内のメンバが各チャネルに対してどのように通信すべきか(マルチキャスト,排他制御など)を木で表す.提案モデルのセマンティクスとして,グループへの新たなメンバの参加,既存メンバの離脱を,この木に対する操作として定義した.本モデルをJavaミドルウェアとして実装し,幾つかの例題の記述,無線LAN上での実験を通して,提案モデル,ミドルウェアを用いて無線環境上の協調アプリケーションの開発が容易に行えること,グループ形成およびグループ内の通信が実用的な速度で動作することなどを確かめた.
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