並列計算環境を対象とした効率的オブジェクトレイアウト法とその自動化
Project/Area Number |
14780217
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
計算機科学
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
鎌田 十三郎 神戸大学, 工学部, 助手 (20304131)
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Project Period (FY) |
2002 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2003: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 分散計算環境 / PCクラスタ / バイトコード変換 / XML / オブジェクトレイアウト / 自動メモリ管理(GC) / 並列計算環境 / 排他制御緩和 / 適応的オブシェクト |
Research Abstract |
本研究は、各種計算環境上の不規則データを扱う並列プログラムに対して、そのチューニングの自動化を目指したものである。今年度は、特にPCクラスタなどの分散計算環境を対象として研究を行った。分散環境では共有データアクセスに伴う通信オーバヘッドが問題となる。このため、分散共有メモリなどによる自動化アプローチは速度面で問題があり、MPIなどの通信ライブラリを用いた明示的データ移動が現在は主流である。ただし、データ一貫性をプログラマ自身が保障する必要があり、不規則データの場合、意図しないバグに悩まされることも多い。発表1の研究では、データ配置やキャッシュ方針をプログラマが指示することのできる共有メモリ型計算環境を提案した。計算局面毎に変数キャッシュ方針を指定するだけで、データ移動などはシステムが自動的に行う。PCクラスタ上での試験的評価の結果、本システムはMPIで記述した場合と同等の実行性能を達成しており、またアクセス傾向に偏りのあるB&H型N体問題などでは、MPIで記述した場合に比して、高速化も期待できる結果となっている。本研究は、昨年度からおこなっていた適応的オブジェクトの研究に基づくものであり、現在、本システムの本格実装をおこなっている最中である。 Java上のポータブル実装技術としては、バイトコード変換ツールCusapiの提案、実装も平行して進めている(発表3)。本ツールは、並列計算上の各種実装技術をプログラム変換モジュールとして簡単に作成し、ライブラリのように配布・適用できる環境の実現を目指したものである。現在、上述の分散計算環境の実装をCusapiベースで実現すべく、研究を進めている。 また、分散計算の対象が高性能計算のみにとどまらず、XMLを介したビジネス用途などに広がりをみせているのをうけて、現在、XML処理Nanafusiの研究も進めている。遠隔データを効率的に処理するため、ネットワーク遅延隠蔽技術などを盛り込んだ研究であり、研究発表2、4を行い、処理系も公開中である。
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Report
(3 results)
Research Products
(9 results)