Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
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Research Abstract |
本研究の目的は,放電・プラズマ分野においては新しい材料である多孔質セラミックを用いることで大気圧非平衡プラズマを生成し,環境機器への適用を検討することである。研究最終年度である本年度は,前年度の結果をふまえ,大気汚染物質であるNOガスの分解実験を行った。セラミックス試料として,数十μmの細孔構造を持つモノリス型ハニカムセラミックスを使用し,さらにその表面に40nm程度の微細孔構造を形成した試料および,酸化チタンコーティングを施したリアクタによる比較実験を行った。その結果,表面微細孔構造を持つセラミックスにおいては,放電特性の改善およびNO分解効率の上昇が認められた。また,NO分解率が増加したにもかかわらず,NO_2の発生率が低減したことから微細構造を持つ表面において,なんらかの反応が促進された物と考えられるが,その詳細な反応に関しては特定するに至らなかった。しかし,酸化チタンコーティングを施したリアクタにおいて,酸化チタンの光触媒作用により酸化反応の促進が認められたことからも,セラミックスを用いた放電リアクタでは,放電部での体積反応だけではなく表面近傍での反応も考慮する必要があることが確認され,多孔質セラミックスを用いた放電リアクタの有用性を明らかにすることに成功した。さらに,セラミックス表面における反応に関する詳細な検討を行うため,高電圧印加時におけるセラミックス表面からの微弱な発光をフォトンカウンティング技術を用いて測定を試み,部分放電以前においても若干の発光が存在することを明らかにした。触媒作用が確認されているニッケルおよび銅を蒸着した試料を用いた測定を行ったが触媒作用と発光との相関を見極めるには至らなかった。
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