第一原理分子動力学計算による3価および4価アクチノイドイオンの水和構造解明
Project/Area Number |
14780403
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Nuclear engineering
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Research Institution | Nagoya University (2003) The University of Tokyo (2002) |
Principal Investigator |
津島 悟 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (80312990)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | アクチノイド / 分子動力学計算 / 4価 / トリウム / 分子動力学法 / 第一原理 |
Research Abstract |
第一原理計算により求めた4価アクチノイドイオンのポテンシャルを用いて、分子動力学計算を行った。MD計算にはAMBER6.0プログラムを用いた。[Th(H_2O)_9]^<4+>と[Th(H_2O)_<10>]^<4+>の電荷の計算にはESP法を用いた。Thと第一水和圏の水分子のHのLJパラメータは0とし、第一水和圏の水分子のOのLJパラメータはR_<o_I>^*=2.0Åandε_<o_I>=0.08kcal/molとした。MD計算の際に、溶質(ここでは[Th(H_2O)_9]^<4+>か[Th(H_2O)_<10>]^<4+>)の位置を固定しておこなった。周期境界条件を用い、0.2フェムト秒きざみで1atmの条件で1500ピコ秒のMDシミュレーションを行った。 [Th(H_2O)_9]^<4+>では、Cl^-濃度が0.39Mから4.57Mにあがると、配位するCl^-の数が0.0から5.6にと増加し、また配位するOの数も15.7へと減少する。[Th(H_2O)_<10>]^<4+>では、Cl^-濃度が0.32Mから5.00Mにあがると、配位するCl^-の数が0.0から3.9にと増加し、また配位するOの数も16.7へと減少する。このことから、Cl^-濃度が高くなると、Cl^-分子が水分子と置き換わり、しかし全体の配位数はほぼ変わらないものと考えられる。第二水和圏の配位数は19〜21の値を取るものと考えられる。温度の効果についても調べた。50℃および75℃について、シミュレーションを行った。その結果、温度が上昇すると、配位数が減少する傾向が明確に見られた。さらには、温度が高い条件では、Cl-濃度が低いうちでもCl-が第二水和圏に入り込むことが明らかにされた。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)