Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2004: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2003: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Research Abstract |
前年度までの研究では,グラフト重合率が大きくなかったため,ポリエチレン中のラジカル密度を定量的に議論するには不十分であった.そこで,イオンビーム照射からグラフト重合反応開始までの試料移動時に確実に真空保持ができるシステムを構築した.さらに,グラフト重合反応時においても適宜真空引きできるようにした.こうすることで,ラジカルと酸素との結合が極力避けることができるので,数百パーセントのグラフト重合率が得られるようになった. シアノ基をアミドキシム化した後,硝酸銅に浸潤することで銅吸着し,加速器分析(RBS)で銅の深さ方向の密度分布を測定した.ここで,アミドキシム基は疎水性の官能基なので,その試料を硝酸銅水溶液に浸潤しても銅の移動が十分でないため,有限の実験時間では十分な吸着量が得られなかった.そこで,アクリロニトリルと親水基(カルボキシル基)を持つメタクリル酸との共重合を行った. ポリエチレン内部のラジカル数を議論するためには,グラフト重合反応におけるプロセスを把握しておかなければならない.そこで,グラフト重合率の時間進展について測定した.その結果,反応速度定数は高密度ポリエチレンより低密度ポリエチレンのほうが大きいことがわかった.これは,結晶質部にアクリロニトリルが進入しがたいことが原因である. また,イオンビーム照射時にポリエチレン内部に誘起する初期ラジカルの濃度と生長ラジカル濃度およびモノマー濃度を変数として,それらの消滅・生成に関するレート方程式を記述し,計算機を用いて計算した。このとき,グラフト,生長,再結合停止,幹とグラフト鎖の停止,二重結合の各速度定数を用いた。
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