海洋境界層でのOH/HO_2ラジカル高感度測定によるヨウ素化学の重要性の検討
Project/Area Number |
14780420
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Environmental dynamic analysis
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
金谷 有剛 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球フロンティア研究システム, 研究員 (60344305)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥3,800,000 (Direct Cost: ¥3,800,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | OHラジカル / HO_2ラジカル / レーザー誘起蛍光法 / 集中観測 / 利尻島 / ヨウ素 / シミュレーション / 対流圏化学 / チャンネル型光電子増倍管 / 高電圧スイッチ / バッフル配置 / アフターパルス / オゾン干渉 / レーザー散乱光 / 色素溶液冷却 |
Research Abstract |
平成14年度に改良を行ったOHラジカル測定装置を用い、センター構内で野外観測テストを行った。その結果、太陽散乱光による背景光強度増加のため、日中は検出下限濃度が0.05pptv程度まで上昇してしまうが、実大気中のOHラジカル濃度も0.2pptv程度と高いため十分に濃度測定が可能であることが確かめられた。夜間には、実験室内と同等の検出下限(約0.008pptv)が得られた。装置のうち、自作電源部を統合化し、ラジカル濃度校正部と合わせて2台のキャスター付ラックに収容することにより、装置の小型化および可搬性の向上を実現した。高感度ラジカル測定装置を平成15年9月に北海道・利尻島の観測所に持ち込み、2週間強にわたる集中観測を行った。本装置は清浄大気中でも同等の性能を有し、日中に0.1pptv程度の極大となるOH濃度日変化を14日間に渡って測定することに成功した。本研究により十分な信号/ノイズ比を有するOHラジカル観測が国内で初めて達成された。HO_2ラジカルについても、大気導入部においてNOガスを混合させることによりOHに変換後測定することができた。HO_2濃度を実測値に固定した場合、日中の定常状態におけるOH濃度の推定値は、実測されたOH濃度とよく一致し、測定の妥当性が検証された。一方、ラジカル濃度を測定値に固定せず、同時に測定されたオゾン、CO、炭化水素、窒素酸化物濃度、紫外線強度などに基づき、対流圏化学反応シミュレーションにより日中のOH・HO_2濃度を推定したところ、OHは平均で実測値より35%高く、HO_2は実測値より89%も高い結果となり、なんらかの未知の化学反応がこれらのラジカル濃度を決定する上で重要な役割を果たしていることが明らかとなった。OH濃度の方が差が小さいことに基づき、HO_2をOHへ変換する上でヨウ素の化学反応が重要である可能性を検討した。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)