小腸放射線障害治療に向けて上皮細胞の分化と再生に関与する遺伝子の研究
Project/Area Number |
14780424
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
環境影響評価(含放射線生物学)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
上坂 敏弘 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 助手 (90304451)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | crypt / Cdx2 / IEC-6 / microarray / E2F3 / differentiation / regeneration / intestine / Microarray / HB-EGF / 腸 |
Research Abstract |
主に腸で発現する転写調節因子Cdx2に着目し、Cdx2の標的遺伝子を明らかにしていくことによって、腸上皮細胞の細胞増殖、分化制御、さらには細胞死制御機構の解明と分化マーカーの同定を目指した。Cdx2の発現制御が可能なラット胎児由来未分化腸上皮細胞株IEC-6 Tet-Off/Cdx2を用いて、Cdx2の発現誘導に伴い転写促進もしくは転写抑制される遺伝子をオリゴヌクレオチド・マイクロアレイ(CodeLink UniSet Rat I Bioarray, Amersham)を用いて9,906種の遺伝子について調べた。現在23種類の遺伝子がCdx2によって発現上昇してくることをRT-PCRによって確認している。これらの内、ゲノム情報がわかっているものに関しては、プロモーター領域と予想される上流域においてCdx2結合部位配列(TTTAC/T)の検索を行った。この結果をもとに、ルシフェラーゼを用いたプロモーターアッセイ、ゲルシフトアッセイ、クロマチン沈降法を行い、Cdx2によって直接転写調節されることを確認した。これにより、転写調節因子E2F3、17β-hydroxysteroid dehydrogenase type 2、TM4SF4などがCdx2の標的遺伝子であることが示された。また、免疫組織化学的手法やin situ hybridizationにより、腸における発現分布を解析しているが、多くの遺伝子は、crypt上皮細胞で発現していることが明らかになってきた。本研究により同定されてきた遺伝子群の情報から、Cdx2の下流のシグナル伝達経路やcrypt上皮組織の新たな生理的役割が明らかになってきたので、さらなる解析を行いたい。また、TM4SF4は膜タンパクであり、crypt-villus部位から絨毛先端にかけて発現していることから、分化マーカーとして有用である可能性が高い。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)