固体高分解能NMR新規手法の開発と生理活性ペプチドの膜結合構造の決定への適用
Project/Area Number |
14780507
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biophysics
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
西村 勝之 横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 文部科学教官助手 (00334631)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 固体NMR / 試料発熱 / 低出力ラジオ波 / 脂質 / 副腎皮質刺激ホルモン / β-endorphin / TANMA-CP / TNASEMA / 新規固体核磁気共鳴法 / 感度向上 / ホルモンペプチド / 脂質膜 |
Research Abstract |
本研究では、脂質と相互作用する生理活性ホルモン、内因性オピオイドペプチドβ-エンドルフィン、および副腎皮質刺激(ACTH)ホルモンのリン脂質二重膜への結合構造の決定、さらにこれら含水試料に適した新規固体NMR感度向上法、構造解析法の開発を行った。 ^<31>P-固体NMR測定による脂質極性質、^<13>C-固体NMR測定によるペプチド主鎖の二次構造解析から、β-エンドルフィンは中性膜DMPC多重膜リポソームではペプチド:脂質が1:30以下のペプチド濃度で均一な構造を取り、14-26残基間はα-ヘリックス構造を取ることが判明した。さらにN末端受容体結合部位はβ-turn構造を取ることが示唆された。一方ACTHは酸性膜DMPG多重膜リポソーム膜表面と主に静電相互作用で強く結合し、10-14残基間はα-ヘリックス構造を、7、20残基目はランダムコイル構造を取ることが判明した。これよりC、N両末端ではランダムコイル構造を取ることが示唆された。 これら多くの水分子を含有する運動性の高い生体試料の活性構造解析のために、試料発熱を伴わない低出力ラジオ波を用いた^<13>C、^<15>N核等の希薄核観測のための新規感度向上法TANMA-CP(Time Averaged Nutation at Magic Angle Cross Polarization)法の開発、および異種核間磁気双極子相互作用と化学シフト異法性を選択的に観測し、分子の幾何情報の決定を可能にする新規2次元相関NMR、TANSEMA(Time Averaged Nutation Spin Exchange at Magic Angle)法の開発に成功した。これら測定法では観測する情報め精度、確度を犠牲にすることなく、試料発熱を生じるラジオ波出力を既存の測定法の1/10以下に設定可能にし、試料発熱が極めて抑制できることを理論的、実験的に証明した。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)