シナプス伝達におけるカルシウム/カルモデュリン依存性のプロテインキナーゼIIの役割
Project/Area Number |
14780596
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Neuroscience in general
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
斎藤 直人 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (90334226)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | シナプス伝達 / カルシウム / リン酸化酵素 / シナプス可塑性 |
Research Abstract |
本研究の目的は、長期可塑性を有するシナプスと示さないシナプスを決定する分子を探索し証明することにある。長期可塑性を示すシナプスとして海馬苔状線維-CA3錐体細胞シナプスを、長期可塑性の認められないシナプスとして脳幹MNTBシナプスを対照とした。免疫細胞染色、免疫ブロット法を用いて解析したところ、PKA、PKC、MAPK、TrkB、calcineurin、Eph、Ephrin、adehylate cyclase、rab3、synaptotagmin、synaptophysin、syntaxin、SNAP25、NMDA receptor、AMPA receptor、などは発達時期やサブタイプ、量的な差はあるにしろ両シナプスに局在が認められた。これまでのところ、唯一CaMK IIが海馬苔状線維-CA3錐体細胞シナプスには豊富に局在する反面、MNTBシナプスには局在しないことが明らかになった。 この結果を基にMNTBシナプスに人工的にCaMK IIを導入することを試みた。近年、1残基のアルギニンを目的の蛋白に連結しておくと、細胞内に蛋白質を細胞外から導入できることが報告されている。同方法を用いて検討したが、MNTBシナプスへの導入は成功しなかった。このため記録電極にCaMK IIを混ぜ、MNTB細胞に直接導入した上で海馬では長期増強を引き起こせるような高頻度刺激を試したが、長期可塑性は認められなかった。Calmodulinの濃度が下がったことが原因である可能性が考えられたため、CaMK IIと同時にcalmodulinも導入した上で高頻度刺激を試したが、やはり長期可塑性は示さなかった。 以上の結果から、シナプスが長期可塑性を有するかどうかを決定する分子としてCaMK IIは最大の候補分子であるが、他にもキーとなる重要な分子があることが予想される。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)