温度応答性高分子キャリアーの遺伝子デリバリーシステムへの応用とその制御機構の解明
Project/Area Number |
14780651
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biomedical engineering/Biological material science
|
Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
武田 直也 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (60338978)
|
Project Period (FY) |
2002 – 2003
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
|
Budget Amount *help |
¥4,700,000 (Direct Cost: ¥4,700,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2002: ¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
|
Keywords | 遺伝子デリバリー / 温度応答性高分子 / DNA / 高分子キャリアー |
Research Abstract |
温度に応答して相転移を起こすN-isopropylacrylamide(IPAAm)とカチオン性の3級アミノ基を有する2-(dimethylamino)ethyl methacrylate(DMAEMA)、さらに疎水的な分子であるbutylmethacrylate(BMA)の3つのユニットからなる直鎖状のrandom copolymer(IP-20D-10B、合成時のDMAEMAおよびBMAのモル比がそれぞれ20,10%)について、COS-1細胞に対する遺伝子導入効率を動力学的に解析した。遺伝子にはβ-galactosidaseをコードしたplasmid DNAを用い、これを96well plateの1wellに対し0.1μg加えた。既往研究と比較して、この濃度は2分の1から10分の1という低い条件である。この低dose条件でも、IP-20D-10BはCOS-1細胞に効率的に遺伝子を導入することができる。 IP-20D-10Bとplasmid DNAの比を変化させて遺伝子導入効率と細胞毒性へ与える影響を検討した。高分子キャリアーの比率を増加させるに従い遺伝子導入効率は増大し、N/P比(高分子のアミノ基とDNAのリン酸基のモル比)10/1で飽和に達した。しかし、細胞毒性も徐々に増大し、N/P=10では10%と顕著になった。一方、N/P=4/1では細胞毒性が約3%と極めて低く、また遺伝子導入効率も飽和値の3分の2という高い活性を示すことを見出した。N/P=4/1の遺伝子導入効率は、高活性な脂質系遺伝子導入試薬として知られるDOTAPの5倍以上に上り、またlipofectAMINE plusに匹敵した。 続いて、遺伝子導入操作後の細胞に温度変化を与え、この外部刺激により導入した遺伝子の発現効率を制御することを試みた。遺伝子導入操作後、一時的に細胞培養温度を37℃から27℃または20℃へと低下させ3時間培養すると、37℃で継続的に培養を行った場合と比べて導入遺伝子の発現が増大した。特に20℃へと低下させた場合では約2倍の発現効率の上昇が観測され、この活性の増大は統計学的(P<0.05)にも有意であることを示した。
|
Report
(2 results)
Research Products
(1 results)