Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Research Abstract |
不完全対麻痺患者のための歩行訓練システムは,歩行訓練中の下肢の状態を計測し,歩行改善に有用な情報を麻痺者に呈示して,歩行訓練をサポートするシステムである.本研究では,それら歩行訓練システムを構成するセンサシステムの構築および波形処理方法の確立を目的として,健常者における歩行動作を測定し,脚部に取り付けた各センサから得られるデータを解析した. 歩行動作を計測するセンサシステムは,下腿に装着した1個の2軸加速度計(ワコー,PRG高感度用),大腿,下腿,足背に装着した3個の1軸圧電式ジャイロスコープ(村田製作所,ENC-03J),踵付近に装着した1個の衝撃センサ(村田製作所,PKS1-4A1)から構成される.また,参照データを得るため,ゴニオメータにより膝と足関節の角度を,爪先と踵に装着したアルミ箔と床上のアルミ板との接触状態により足の接地のタイミングを計測した. 3名の健常者においてアルミ板上での歩行実験を行い,各センサから得られたデータを解析した.その結果,ジャイロスコープ間の出力の差分により得られる関節角速度を数値積分し,膝と足関節の関節角度を求めたところ,ゴニオメータの出力を高い精度の近似が得られた.さらに,ジャイロスコープの装着位置を変化させ得られたデータの定量的な評価を行ったところ,適切にセンサを装着することにより高い精度で膝と足関節角度を計測できることが分かった. また,加速度計や衝撃センサを用いることにより,立脚期と遊脚期の識別や,立脚期における足底の接地状態を認識することが可能であり,床に非接触で安定して歩行期を識別できる小型センサを構築できることが分かった.さらに,ジャイロスコープや加速度計にみられるパルス状の出力波形の振幅値や発生タイミングを解析することにより,歩行能力を評価し,歩行訓練に有用な情報を呈示できることが分かった.
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