Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
申請者は、血管障害に起因する中膜平滑筋細胞のアポトーシスが引き金となって、おそらく組織修復を目的とした増殖因子が過剰に分泌され、周囲の中膜平滑筋細胞が増殖し内膜肥厚を生じるという推論を立てた。申請者は、先ず、野生型血管平滑筋培養細胞を用いるプロテイン・アレイ解析において、過酸化水素負荷による細胞アポトーシスの誘発とともに、培地GFxが多量に分泌されることがわかった。二重障害マウス(野生型及びKO型)における処置からの経過時間と血漿中のGFx濃度)を行ったところ、処置前には、GFxはほとんど検出されなかったが、処置後4日目において早くも増加し、その後も血漿中において高いレベルに維持されることがわかった。これらの変化は、カテプシンK遺伝子欠損平滑筋細胞とマウスで著名に低下することを見つけた。これらのことから、カテプシンKは、平滑筋細胞のアポトーシスに誘発されるGFxを介して周囲の平滑筋細胞の増殖及び内膜肥厚形成に関与するのではと考えた。マウスGFx発現プラスミドの構築とラットCHO(チャイニーズハムスターの卵巣)細胞からGFxの合成・精製に成功し、9週齢カテプシンKO型マウスを無作為に2群にわけ、二重障害モデルを作製し、ビヒクル(PBS)と150μg/kg/日(GFx)をそれぞれ皮下注射にて投与した。KO型マウスにおいて病変部位の細胞増殖ならびに新生内膜の肥厚促進を示すことがわかった。GFx高発現するアデノウイルス感染実験でも同様な結果が確認された。さらに、野生型マウスにおいてもGFx中和抗体による著明な抑制も確認された。したがって、GFxは、血管障害の新規バイオマーカーで、障害による血管リモデリングと血管内治療による再狭窄を制圧するにあたって極めて重要な物質で、新しい分子ターゲットになり得ると考えられた。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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