Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
X線位相イメージングでは、被写体を透過したX線の位相変化を画像上のコントラストに変更する必要があり、アナライザーを用いて位相回復することが多数である。従って、アナライザーの性能向上が改質改善のキーポイントとなる。2次元のX線位相情報を求めるには、少なくとも横と縦方向に結晶アナライザーを設置し、被写体を透過したX線の屈折角度を計測し、位相を求める必要がある。本研究では、従来縦と横方向に設置した2枚のアナライザーの替わりに、X線多波回折を利用した結晶アナライザーを用いて2次元X線微分位相イメージング法の開発を行った。初年度に多波回折理論を用いて設計・製作した太鼓型非対称ラウエ結晶アナライザーは、製作段階及び運搬、移動中に太鼓中心の薄い部分にX線だけ観察できる亀裂が入りやすいことがわかった。結晶に亀裂が入ることにより多波回折の条件に満たさず、位相測定が不可能になった。上記の不具合を防ぐため、ホルダー・結晶・ホルダーの三層構造の一体化になった結晶の設計・製作を行った。X線エネルギー20 keVに対して、145ミクロンと156ミクロンの厚さが多波回折の条件に満たすが、製作条件、縦、横方向の空間分解能を考慮した上、145ミクロンの厚さの3インチSiウェーハを選択し製作を行った。ホルダーはアルミニューム製で厚さは10 mmとした。結晶アナライザーを用いたX線位相イメージング法では、1枚画像あたり秒オーダーで測定を行う。位相CTを取得するには2時間程度かかり、CTを取得中X線ビームの揺らぎ、結晶アナライザーの動きにより取得データの正確度が低くなる。上記の問題を克服するため、回折波の強度変化を測定することによって、システム全体の安定性を測定可能となるフィードバック方式を用意した。フィードバック補正することにより、取得データの精確度を4倍向上できることがわかった。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Japanese Journal of Applied Physics
Volume: 54 Issue: 9 Pages: 096701-096701
10.7567/jjap.54.096701