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複数分子を同時認識するスマートゲルの創成と診断システムへの応用

Research Project

Project/Area Number 14J03831
Research Category

Grant-in-Aid for JSPS Fellows

Allocation TypeSingle-year Grants
Section国内
Research Field Biomedical engineering/Biomaterial science and engineering
Research InstitutionKansai University

Principal Investigator

栗生 芳明  関西大学, 特別研究員(DC2)

Project Period (FY) 2014-04-25 – 2016-03-31
Project Status Adopted (Fiscal Year 2015)
Budget Amount *help
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2015: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2014: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Keywords高分子ゲル / 生体分子インプリントゲル / 分子インプリント法 / 分子認識 / ネットワーク構造 / 表面プラズモン共鳴
Outline of Annual Research Achievements

本研究では,2種類のマーカー分子を同時認識する新規なスマートバイオマテリアルの創成を目的として,柔軟な構造中に認識サイトを形成できる生体分子インプリント法によって2種類の標的分子を同時検出できる生体分子インプリントゲルの合成とその診断システムへの応用を試みた。まず,1成分目の生体分子インプリントゲルとして,これまでの研究成果として合成に成功した,レクチン応答性ゲルについて検討した。その結果,合成したレクチン応答性ゲルは,標的分子であるレクチンを厳密に認識して収縮することが明らかとなり,またその標的分子認識能を外部刺激によるネットワーク構造変化によって制御できることが明らかになった。したがって,生体分子インプリント法を用いることによって柔軟なゲルネットワーク構造中に標的分子に対する認識サイトを形成でき,外部刺激による構造変化によって認識能を制御できるアロステリック様機能を示すスマートゲルを合成できることが明らかになった。また,アロステリック様機能のエフェクターとなる分子として内分泌かく乱化学物質の疑いのあるビスフェノールA(BPA)を選択し,リガンドとしてシクロデキストリンを用いたBPAインプリントゲルを合成した。合成したBPAインプリントゲルは,標的となるBPAを厳密に認識して顕著に収縮したことから,アロステリック効果のエフェクター分子のように,標的分子存在下でネットワーク構造変化を誘起し,1種類目の標的分子の認識を制御できる2成分目の生体分子インプリントゲルとして有用であると考えられる。さらに,アロステリック様機能を有するスマートゲルの応用として,表面プラズモン共鳴センサーチップ上に生体分子インプリントゲル層を形成することにより,生体分子インプリントゲルの分子認識を共鳴角変化シグナルとして情報変換できる新たな診断システムの開発にも成功した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

これまで,種々の生体分子応答性ゲルを開発するとともに,その診断システムへの応用を目指した研究も行い,国内外の様々な学会でその成果を報告してきた。例えば,柔軟なゲルネットワーク構造中に標的分子に対する認識サイトを形成させる生体分子インプリント法を用いて,糖鎖結合タンパク質であるレクチンの一種のコンカナバリンA(ConA)を厳密に認識して収縮するConAインプリントゲルの合成に成功している。また,イオン強度を変化させることにより,ConAインプリントゲルのConA認識能の制御にも成功している。さらに,内分泌かく乱化学物質の疑いのあるビスフェノールA(BPA)を標的分子としたBPAインプリントゲルも合成しており,標的分子存在下でのゲルの応答挙動を調べることによって,アロステリック様機能のエフェクターとしての有用性も検討している。また,生体分子インプリントゲルの診断システムへの応用を目指して,表面プラズモン共鳴(SPR)センサーの金チップ上への生体分子インプリントゲル層の形成も試み,SPRシグナルに及ぼす膜厚の影響などを明らかにしている。これらの研究結果の一部は,論文として国際的なジャーナルにも掲載され,国内外の学会などでも多数発表している。また現在も,これまでに合成してきた生体分子インプリントゲルから得られた知見を基に,2種類の標的分子を同時にインプリントしたゲルの合成にも着手しており,当初の研究計画に沿っておおむね順調に進展している。今後も,複数分子認識スマートゲルの創成と診断システムへの応用について,当初の研究計画に沿って研究を進めていく予定である。

Strategy for Future Research Activity

これまでと同様に,レクチンやBPAなどの標的分子をインプリントしたスマートゲルの合成を試みる。特に,2種類目のBPAインプリントゲルは,アロステリック効果のエフェクター分子のように,標的分子存在下でネットワーク構造変化を誘起する必要があるため,BPA存在下での吸着量やゲルの架橋密度の変化,体積変化率をより詳細に検討する。また,これまでに得られた生体分子インプリントゲルの知見を基に,2種類の標的分子を同時にインプリントした新規なスマートゲルを合成する。特に,BPAや抗体などの存在下でゲルが収縮してネットワーク構造変化した際のレクチン認識能を調べ,分子に応答した際の体積変化率と動的分子認識との相関関係を解明することにより,合成したスマートゲルのアロステリック様機能を検討する。また,ゲルの認識能向上を目指して,精密ラジカル重合を用いることによりネットワーク構造を精密設計したスマートゲルを合成し,精密ラジカル重合の有用性を明らかにする。さらに,これらの生体分子インプリントゲルの応用を検討するために,SPRセンサーチップ上に生体分子インプリントゲル層を形成させ,生体分子インプリントゲルの分子認識を共鳴角変化シグナルとして情報変換できる新規な診断システムの開発を試みる。その際に,2種類の標的分子を同時に記憶させた生体分子インプリントゲルも合成し,アロステリック効果のエフェクター分子のように標的分子とリガンドとの結合が誘起する構造変化によって,他の標的分子に対する認識能が向上するスマートゲル薄膜も調製する。

Report

(1 results)
  • 2014 Annual Research Report
  • Research Products

    (5 results)

All 2014

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results,  Acknowledgement Compliant: 1 results) Presentation (4 results)

  • [Journal Article] Formation of Molecularly Imprinted Hydrogel Layers with Lectin Recognition Sites on SPR Sensor chips by Atom Transfer Radical Polymerization2014

    • Author(s)
      Y. Kuriu, A. Kawamura, T. Uragami, T. Miyata
    • Journal Title

      Chemistry Letters

      Volume: 43 Issue: 6 Pages: 825-827

    • DOI

      10.1246/cl.140103

    • NAID

      130004868186

    • Related Report
      2014 Annual Research Report
    • Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
  • [Presentation] Preparation of Protein-Imprinted Hydrogel Layers on Sensor Chips by Atom Transfer Radical Polymerization and Their Signal Changes2014

    • Author(s)
      Y. Kuriu, A. Kawamura, T. Uragami, T. Miyata
    • Organizer
      Polymer Networks Group Meeting & Gel Symposium 2014 (PN&G 2014)
    • Place of Presentation
      Tokyo University, Ito International Research Center
    • Year and Date
      2014-11-10 – 2014-11-14
    • Related Report
      2014 Annual Research Report
  • [Presentation] 分子インプリント法によって生体分子認識サイトを形成させた刺激応答性ゲルの動的認識挙動2014

    • Author(s)
      栗生芳明,河村暁文,浦上忠,宮田隆志
    • Organizer
      第63回高分子討論会
    • Place of Presentation
      長崎大学
    • Year and Date
      2014-09-24 – 2014-09-26
    • Related Report
      2014 Annual Research Report
  • [Presentation] 生体分子インプリントゲルのネットワーク構造変化による動的認識制御2014

    • Author(s)
      栗生芳明,河村暁文,浦上忠,宮田隆志
    • Organizer
      第63回高分子学会年次大会
    • Place of Presentation
      名古屋国際会議場(愛知)
    • Year and Date
      2014-05-28 – 2014-05-30
    • Related Report
      2014 Annual Research Report
  • [Presentation] 表面プラズモン共鳴センサーチップ上へのタンパク質インプリントゲル薄膜の形成とそのシグナル応答挙動2014

    • Author(s)
      栗生芳明,河村暁文,浦上忠,宮田隆志
    • Organizer
      日本膜学会第36年会
    • Place of Presentation
      早稲田大学西早稲田キャンパス63号館
    • Year and Date
      2014-05-12 – 2014-05-13
    • Related Report
      2014 Annual Research Report

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Published: 2015-01-22   Modified: 2024-03-26  

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