Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
アデノウイルスベクター(AdV)からは2種類のウイルス随伴RNA (VA RNA)が常に発現している。VA RNAはウイルス増殖に必須では無いため、VA RNA発現細胞による作製法では力価が低いあるいは作製できないなどの問題があった。そこでFLP/FRTを応用した新たなVA欠失AdVの作製法を確立した。平成27年度はVA RNAのウイルス複製における役割の解析とともに、VA欠失AdVを用いたiPS細胞からの運動ニューロンの誘導についても検討を加えたので報告する。1.VA RNAの機能解析マイクロアレー解析によりVA RNAにより発現が変動したことが確認された新規遺伝子のうちHDGFに着目した。HDGFはアデノウイルス複製初期においてVA RNA依存的に発現が減少しており、これまでに報告されていたウイルス複製後期においてVA RNA依存的に発現が減少する細胞遺伝子とは全くことなっていた。そこで、VA RNAとHDGFの相互作用について解析した結果、HDGFはアデノウイルス複製開始に必須であるE1タンパク質が機能するために必要なCtBPとの結合を競合拮抗することによりアデノウイルスの複製を抑制する宿主細胞の防御遺伝子の1つであり、VA RNAはHDGFの発現を抑制することによりアデノウイルスが増殖しやすい環境を整えている可能性が示唆された。2.VA欠失AdVによる運動ニューロンの誘導iPS細胞から神経細胞の誘導にはmiRNAの関与が報告されている。そこでNgn2、Isl1及びLhx3を発現するVA欠失AdVを作製し、iPS細胞からNeurosphereを経てこれらのAdVを導入して運動ニューロンを誘導する効率について検討を行った。その結果、既存法と比べ約7倍の効率で運動ニューロンが誘導された。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Gene Therapy
Volume: 1 Issue: 5 Pages: 1-9
10.1038/gt.2014.124