Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
転写因子NF-κBは、さまざまな免疫過程および細胞過程において重要な役割を担っており、その調節異常はがんおよび炎症性病態の主要な誘因であり、NF-κB構成因子であるp50/p52の2重欠損マウスは大理石骨病を呈することが報告され、NF-κBが破骨細胞分化を制御することで、骨疾患の病態形成に大きく関与することが示されている。RANKLまたは炎症性サイトカイン刺激の時間経過とともに活性化するNF-κB構成因子が変化していることがわかった。つづいて、関節リウマチにおける破骨細胞の分化を制御する因子の探索を行った。1年目の研究で見出すことに成功しており、破骨細胞分化過程において活性化しているNF-κB構成因子との関連性の高い因子についてピックアップし、siRNAを用いたノックダウン実験を行った。種々のsiRNAをトランスフェクトした骨髄由来マクロファージ(BMM)を50 ng/ml RANKLで3-4日間培養することで破骨細胞へと分化させ、TRAP染色、qPCRによる破骨細胞分化マーカーの発現解析を行うことで、RNAiにより種々のタンパク質をノックダウンした際の破骨細胞分化を検討することで、破骨細胞分化に影響するタンパク質の同定を行う。ノックダウン効率の確認にはRT‐PCR法を用いた。破骨細胞分化誘導刺激後、TRAP染色にて破骨細胞を染色すると、ある因子のノックダウンにより、破骨細胞数が減少することがわかった。さらに、同定した因子が破骨細胞分化に関わることを詳細に調べるため、ゲノム編集により、同定した因子のノックアウトES細胞を作製し、ES細胞から破骨細胞分化誘導系を確立した。同定した因子のノックアウトES細胞に破骨細胞分化誘導刺激を行ったところ、wild-type ES細胞から誘導される破骨細胞に比べ、分化した破骨細胞数が減少していることを見出した。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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