Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
呼吸器疾患などにより身体が低酸素環境下におかれると多血症となることが知られている。現在、多血症には対症療法である瀉血以外の治療法がないため、新たな治療法や食事療法の確立が望まれる。一方で、これまでに多血症に有効な食品成分としてクエン酸に着目して研究を行い、クエン酸の摂取が多血症の治療に有効である可能性を示してきた。そこで本研究では、呼吸器疾患に伴う多血症ならびに身体の低酸素状態が問題となる種々の疾患の食事療法を確立することを目的とし、その先駆けとして、低酸素曝露に対するラットの初期生体応答およびクエン酸の生理機能を中心に解析した。本年度は、低酸素曝露およびクエン酸投与が、ラット骨格筋(ヒラメ筋)の糖質代謝関連遺伝子発現に与える影響と、肝臓および骨格筋の低酸素誘導因子(HIF)-1αに与える影響について検討した。その結果、低酸素曝露(10.5% O2、2時間)したラットの骨格筋では、糖取込みと解糖系の遺伝子発現に有意な変化はみられなかった。また、低酸素曝露に対するクエン酸投与の影響もみられなかった。一方で、平成26年度の研究結果では、低酸素曝露したラットの肝臓では糖取込みおよび解糖系に関わる遺伝子発現が上昇していたことから、低酸素曝露により、骨格筋ではなく肝臓において糖利用が亢進する可能性が明らかになった。また、肝臓および骨格筋のHIF-1αタンパク質は、低酸素曝露およびクエン酸投与による有意な変化はみられなかったことから、HIF-1αの安定化がみられない状態においても糖利用が亢進する可能性が示された。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Food and Nutrition Sciences
Volume: 6 Issue: 12 Pages: 1095-1102
10.4236/fns.2015.612114
日本ヘモレオロジー学会誌
Volume: 14 Pages: 7-12
40021112763