Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
本年度は主に,小地域推定モデルにおける空間モデルの開発の研究を進めた。古典的な小地域推定においては,観測変数は地域間で独立であると仮定し,データの空間的な情報を無視してモデリングを行うことがほとんどであった。しかしながら,データに空間的な相関が見られたり,データの構造が地域によって異なったりする(空間非定常)ような場合,空間情報を無視したモデリングは不適切である。そこで,データのもつ空間的な構造に合わせて,その情報を組み込んだ混合効果モデルを開発した。まず,空間非定常な離散データに対して「空間重みつき経験ベイズモデル」を開発し,1930年の東京市における死亡データへの応用を行った。これは,空間非定常なPoisson-gammaモデルを地域別死亡数データに適用し,死亡のリスク指標である標準化死亡比を小地域ごとに推定したものである。推定量のリスク評価,ベンチマーク推定量の導出といった,小地域推定の諸問題へのアプローチも行った。また,小地域(area)と,areaを構成するさらに小さい単位であるsub-areaを同時に推定したいという問題に対して,「空間相関の入ったtwo-fold Fay-Herriotモデル」を開発した。これらの研究の他,前年度から継続して行ってきた「乗法モデルに対するベンチマーク問題」や「混合効果モデルに対する変数選択問題」にも取り組んだ。特にベンチマーク問題の研究は国際査読誌Biometrikaに掲載された。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2015 2014 Other
All Int'l Joint Research (2 results) Journal Article (4 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results, Peer Reviewed: 3 results, Acknowledgement Compliant: 3 results, Open Access: 1 results) Presentation (7 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results) Remarks (2 results)
Biometrika
Volume: 102 Issue: 3 Pages: 647-659
10.1093/biomet/asv010
Volume: 印刷中
Journal of Multivariate Analysis
Volume: 129 Pages: 44-56
10.1016/j.jmva.2014.03.017
数理解析研究所講究録
Volume: 1910
https://sites.google.com/site/ykawakubostat/